梵天勧請① | 吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

茨城県石岡市にある真言宗豊山派の摩尼山吉祥院です。
ふるさと茨城路百八地蔵尊霊場第九十一番札所に指定されており、
開山約900年の歴史を持つ由緒ある寺です。
境内の四季折々の風情や仏教について、幅広い情報を発信するお寺ブログです。

仏教の開祖であるお釈迦さま(釈尊)は、

出家したのち6年もの苦行を行いました。

しかし、それにより悟りを得ることはありませんでした。

 

釈尊が苦行を捨てることを決めると、

一緒に修行をしていた5人の仲間は

失望して去っていきました。

 

仏伝によれば、仲間たちが去った後、

釈尊はとある樹の下で座っていたところ、

スジャータという娘に乳粥を供養され、

それによって体力が回復し、

次いで身を清めるために近くの河で沐浴したとされます。

 

その後、菩提樹の下で瞑想に入り、

妨害してくる降魔を退け、

ついには真理に目覚め、

悟りを開いたのです。

 

そこで悟った内容というのは、

「縁起」の法であるとされますが、

それには諸説あるようです。

 

ただ、悟りを得た後の

初めての弟子への説法(初転法輪)では

その縁起は説かれず、

四聖諦」を説いたといいます。

 

四聖諦は、

この世界の一切は苦であり、

その苦から解放されるための方法がある

ということを説く実践的な教えです。

 

この初転法輪から

弟子への説法が始まったのですが、

悟った直後の釈尊には説法することに

ためらいがあったことがられています。

 

釈尊は悟った後、数週間は

自らで悟りの境地を味わっていたとされます。

 

その間、悟りの内容を整理することもあったのでしょうし、

そこで悟りの内容が非常に深いもので、

難解であって、

言葉では直接語れないものである

などということに気づいたことから、

説法を躊躇していたとされます。

 

 

 (明日へ続く)