仏教修行者(僧侶)は、
修行するにあたり
環境を整えねばなりません。
瞑想する際は、
人がたくさんいる場所で集中するのは難しいので、
どのようにして静かな場所へ自分をもっていくか ということも、
修行者の考えるべきことの一つといえます。
そこでまず考えるのは、
人がたくさんいる賑やかな場所に住まないということでしょう。
しかしながら、本来修行者は
自ら生産的な活動をしないので、
托鉢で得たご飯で生きていかなければなりません。
なので、修行のことのみを考えて山奥にこもっても托鉢ができないので、
生きていくためにはある程度町に近い場所に住んでいなければなりません。
つまりは、布施で生きながらも
その施しに甘んじず、
バランスよく修行することが重要なのです。
悟りを目指すため自らの修行に集中しながらも、
修行を継続するため、世俗、社会とバランスの良い関係を保つことを勧めているわけです。
現在の日本の僧侶は基本的にこのような状況にありませんが、
昔のインドや今でもいくつかの国の僧侶たちは、このような苦労もしつつ修行に取り組んでいます。
われわれ日本の僧侶も世俗に媚びへつらってはならないことを自覚して、
仏教の教えをしっかりと学び、
悟りを本気で目指すとは言わないまでも、
人々の規範となる人間性を身に付けていく努力をしていかなければならない
と考えています。
副住職