気付くこと | 吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

茨城県石岡市にある真言宗豊山派の摩尼山吉祥院です。
ふるさと茨城路百八地蔵尊霊場第九十一番札所に指定されており、
開山約900年の歴史を持つ由緒ある寺です。
境内の四季折々の風情や仏教について、幅広い情報を発信するお寺ブログです。

ダンマパダという経に

「愚かな人間が
自分を愚かであると考えるなら、
すなわち賢者である。

愚かな人間でありながら、
自らを賢者と考える者は、
まさに愚かな人間と言われる」

という、お釈迦様の言葉があります。

自分が間違っていたとしても、
それを自覚しているかそうではないかで、
大きな違いがあるということでしょう。


仏教では、もののあり方を正しく見ることを教えます。

人はしばしば、ものごとの本質を見失っていることがあります。

本質を見失ったままそれで満足していれば、上で示した愚かな人間となり、
本質を見抜いていなくともそのことに自分が気づいていれば、
まだ救われる可能性があるということなんだろうと思います。

現在の状況でうまくいっていても
それが永遠に続くことはないし、
それがそもそも本質を捉えているわけではなく、
たまたまうまくいっているだけの場合だってあります。

うまくいっていても、そうでなくても、
想像力豊かに広い視点でものごとを見極めることが、
より良い人生につながるのだと思います。


仏教思想を社会生活に生かす一つの教えが、
最初に引用したお経(ダンマパダ)にあるのではないでしょうか。


文責 副住職