しんじつまさゆうべんなし」の確信で――
創価のせいむねり語ろう

 


 一、「世界広布新時代第34回本部幹部会」ならびに「信越総会」の開催、まことにおめでとうございます(拍手)。
 本日は、12カ国・地域から、82人のSGIメンバーも参加されております。遠いところ、ようこそおしくださいました。
 一、さて、先日、日中平和友好条約締結ていけつ40周年を記念する中国・こくきょう首相の歓迎レセプションに出席してまいりました。
 池田先生から李首相に贈られた漢詩とともに、先生の歓迎の意をお伝えすると、李首相は「33年前の池田先生との出会いを、よくおぼえております」と誠になつかしそうに語っておりました。
 33年前の1985年(昭和60年)3月、若き李首相は中国青年代表団の副団長として、当時のきんとう団長と共に来日されました。それは、前年に日本から青年3000人の大交流団が訪中した、その返礼へんれいとしての来日でした。
 この時、先生は“昨年、日本の青年がお世話になったことでもあり、大事な未来の指導者だから”と、地方指導の予定を変更して東京にもどり、代表団と会見されました。
 青年を心から大切にされ、そして誠実には大誠実をもってむくいる池田先生の行動こそ、時をるごとにかがやきをす友情の根幹こんかんなのだと、今回、あらためて学ぶことができました。
 一、また、先月には、フランス、スペイン、イギリスを訪問してまいりました。
 スペインについては、カプート理事長の報告にあった通りですが、フランスでは、フランス学士院をおとずれ、アブラハム友愛ゆうあい協会のエドモンド・リール会長夫妻、経済等のぶんで活躍するベルナール・エザンベール氏らと会見。フランス・仏教学研究所のドミニック・トロティニヨン所長とも、ゆうな対話をわすことができました。
 さらに、「欧州会議」設立せつりつ45周年をしゅくするフランスSGIの総会では、席上、大手出版社のアルマッタン社から、池田先生に「平和への対話とくべつ賞」が贈られました。
 また、6000人をす青年けっしゅうの大勝利にくイギリスでは、ロンドンちょうしゃでマシュー・ライダー副市長と会見。タプロー・コート総合文化センターでの環境展示“希望のしゅ展”の開幕式には、多くの来賓らいひんつどい、地域貢献こうけんの努力が結実けつじつした式典しきてんとなりました。
 ような民族、言語、文化の人々がひしめき合うヨーロッパにあって、広宣流布を進めることが、どれほどのかんなんしんともなうか。
 だからこそ、かつて池田先生は「日蓮仏法もこのヨーロッパで実験証明されてこそ、初めて世界宗教としてしょうすることができる。私はそう決めて祈り、欧州広布の第一歩をみ出しました」と、つづられました。
 たとえばフランスでは、「ライシテ」と呼ばれる原則があります。これは、私生活の信仰は自由だけれども、こうきょう空間には宗教性は持ちまないという考え方です。
 ライシテは、フランス革命らいの長い歴史的けいしており、こうしたどくの事情によって、フランスでは創価学会に対してきびしい偏見へんけんの目が向けられた時代がありました。
 2001年12月のこと、ゴルバチョフ元ソ連大統領と、池田先生との対談集『20世紀の精神のきょうくん』のフランス語版が発刊はっかんされ、ゴルバチョフ氏自身が出席しての出版記者会見が、パリ政治学院で行われました。
 その後、ゴルバチョフ氏は、パリで人気のテレビ番組に出演しました。ところが、その番組で司会者から、先生とSGIにかんする無認識からくる質問が飛び出したのです。学会を取り巻く当時の社会状況を象徴しょうちょうする、ひとまくでした。
 しかし、質問が終わるやいなや、ゴルバチョフ氏はぜんとした調ちょうで語り始めました。
 「いいですか。池田会長に対して、一部の根拠こんきょなき言説げんせつがあるようですが、私がそのような質問を受けたのはフランスだけです。どこからそのような話が出てくるのか理解できません。まったもないことです。
 この本は、すでにいくつかの国で出版され、各国の読者からだい賛同さんどうています。まず、それが第一点。
 次に、池田氏は私との対話を行う前に、ぜん大陸のおよそ100人ほどの識者と対談し、その中の誰一人として、池田氏をなんした人はいませんでした!」――こう明快めいかいに切り返したのです。
 あわてた司会者は、「それはその通りです。その通りです」と、ほうほうのてい退散たいさんしてしまいました(笑い)。
 池田先生のむすばれた友情が、いかに強いきずなであるか。そしてフランスの同志は、こうしたゴルバチョフ氏に負けずおとらずの言論戦を展開てんかいしてこられました。それはスペインしかり、イギリスしかり、であります。ゆえに今、日蓮仏法が世界宗教として飛翔しゆくじっしょうを、見事にしめしきっているのであります。
 一、日蓮大聖人は「日蓮がごとく身命しんみょうをすてて強敵ごうてきとがあらわす」(御書1589ページ)とおおせになられました。
 広布が伸展しんてんすれば、三類の強敵がしゅったいするのはひつじょうです。ゆえに、こちらからり込み、根も葉もないデマの正体をあばき、め抜く――。相手の心に深くはいり込んだデマの“どっ”を抜きらなければ、しんに「心にさる対話」「心を変える対話」にはならないのです。
 私どもは「真実にまさ雄弁ゆうべんなし」そして「勇気に勝る信心なし」の大確信で、むねって、創価の正義と真実を語り広げていきたい(拍手)。
 一、ここ信越の地で書き起こされた小説『新・人間革命』は、らい、四半世紀を経て、いよいよ6月、そのとうかざる第30巻の上巻が発刊されます。
 師弟の月・7月へ、池田先生が命をけずるようにしてつむぎ出された、いちごんいっ全身ぜんしん全霊ぜんれいで向き合い、実践じっせんしながら、私どももまた、「わが人間革命」のあらたな一ページをつづる、一日また一日にしていこうではありませんか(拍手)。

 (2018年5月19日 聖教新聞)より