横浜ベイスターズvs中日ドラゴンズ in横浜スタジアム | かものはしの口遊〜くちずさみ〜

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島根から札幌に来て18年目。相方、娘に猫(雌)も加わり、居場所が徐々に奪われていく様子を口遊みます

実は先週から、横浜遠征が噂されていたかものはし。
17日に松江へ試験で帰った後、東京行きの夜行に乗って行こうとしたものの、連休に台風まで重なって断念せざるを得なかった。
が、どうやら今月いっぱいのわしのお休み期間の中で、横浜スタジアムでの横浜戦は今日の中日戦と月末しかないではないか。
それじゃ、ちょっくら行ってくるかのぉ。…と、新幹線へ飛び乗ったかものはし。

実を言うと、午前中にとりあえず広島駅に行ってから行くかどうか決めようと思っていたし、呉線で広島駅に向かってる電車の中では、土曜日に用事で大阪に行くチケットだけ取って呉に戻ろうかのぉ…という結論に達しかけておったのだが、ふとみどりの窓口に足を向けて、あいにく新幹線のチケットが余裕を持って残っていたのが運のつき。
たぶん、夕べはあまり眠れなかったせいで頭の回転がおかしかったんでしょう
12時発ののぞみに乗って一路新横浜へ。

いやぁ、新幹線も久しぶりじゃのぉ。
新大阪や京都の風景を新幹線から見ながら、つい先週までここにおったんだよなぁと思うと不思議な感じだった。まさかあの時、来週は新幹線でここを通過しておるなどと夢にも思っておらんかったし。


16時、新横浜に到着。
今回、あまりに急に横浜行きを決めたため、全く路線図とかは知識にない。唯一あるのが「横浜スタジアムは関内」という知識のみ。
その知識だけで関内にまっすぐ着けるわしもわし。

谷繁が大洋ホエールズに入団した時に横浜ファンになって以来早十数年。未だに横浜スタジアムに来たことがなかったかものはし。
プレイボール1時間半前の16時半にはスタジアムへ。やはり遠方から来た分だけ意気込みが違うのぉ。
ちょうど、連絡を取っていた横浜在住の友人とも連絡が取れたので、ご連絡。
「座席は、31段の60番だから」
「ああ、バックネット裏だね」
…さすが浜スタに通う猛者は違うのぉ。番号だけで座席がわかるらしい
練習風景
楽しそうな練習風景…

さて、今日の試合は死力を尽くして優勝を争う中日と、定位置で野球ライフをのほほんと楽しむ横浜ベイスターズの一戦。
取りこぼしの許されない中日だが、昨日うっかり横浜相手に奇跡の敗北を喫し、今日はプライドにかけて勝ちに来るだろうと思っておったが、先発は中日マルティネスに対して横浜はエース三浦。
中日相手なら1勝2敗で恩の字。3連敗は有り得ても2勝1敗など有り得ないという空気の漂う今シーズン。ところがどうやら牛島監督、今更ながらここでリーグを盛り上げるべくエースを投入。
きっと、中日には色んな想いがあったのでしょうなぁ…

横浜スタジアム


さて、18時プレイボール。
序盤、どうにか中日打線をかわす三浦を援護すべく、なんと横浜が望外の4点先取。
今シーズン、抑えても抑えても勝てない三浦だが、これだけの援護射撃を貰えば…と一瞬思ったのも束の間、気づけば三浦も3失点。
まぁ、彼以外だったら既に二桁は取られてるような流れですからなぁ…。

そしてまだ7回途中というのに三浦降板、同点のピンチを木塚が抑えるとその裏に待望の追加点を取ってなんと7-3と中日を突き放す。
あとは加藤、川村を控えている事を考えれば4点差ならどうにかなるんではないだろうか。
う~む、まさか横浜スタジアムに来た日に首位を倒すという天に唾吐くに等しい現場を目の当たりに出来る事になろうとは…などと大それた事を想像してしまった8回表、出てきた山北がアレックスにいとも容易くスタンドに運ばれ7-4。3点差。

佐々木が絶好調だった時代、9回で1点差だったら大魔神・佐々木といえどももしかしたら…というのがあったが、3点差あればまず大丈夫。というか、3点差もあるのにセーブなんて貰えるんじゃのぉ、くらいに思っておった時代があったものです。
しかし今の横浜、3点差あろうが引っくり返される時は引っくり返される。そんな瞬間を何度も見てきた今シーズン。
5点差くらいでも抑えたらセーブを付けてあげたいほどの救援陣…やはり佐々木は偉大だったんじゃのぉ。

しかしなんか流れがおかしい。ここは8回裏は追加点を取って突き放さないと…と思ったその8回裏、1アウト満塁という絶好の追加点のチャンスが巡ってきた。
そして打席は石井琢朗。最下位がほぼ確定的になり若手主体に切り替える中、遊撃手のポジションを譲らない野球のすべてを知り尽くしたベテランに巡った絶好のチャンス。
そして横浜で最も野球を知り尽くした男が見てろとばかりに後輩たちを前に見せ付けた結論、それはそれは高々と打ち上げた3塁ファールゾーンへのポップフライ

おいおいおい!マジかよ、やはりあれですな、長く在籍してる分だけ優勝以前の分も含めて横浜伝統の負けパターンが骨の髄まで染み込んでるようですな。

しかし続くバッターは売り出し中の2年目藤田。もはやあてにならないベテランの打撃を尻目に、よく見ていろと言わんばかりに振ったバットで同じようなポップフライ。

…どうやら横浜の伝統の負けパターンは、順調すぎるほど脈々の次世代にも伝わっておるようですのぉ

そして9回表。
それでも3点差で抑えは川村。かつて17勝(だっけ?)した実績を持ち、クルーンのいない現在抑えを任されたベテラン。一発病という不治の病は抱えているものの、川村なら3失点は無いだろう…などと、とりあえずポジティブに考えようと思っていたのだが、もはや嫌な予感は現実へと向かっていった。

先頭の代打・立浪がヒットで出塁。
「続く荒木・井端が出塁して満塁ホームランで終わり」と一瞬で頭に描いた隣に座る横浜ファン。横浜ファンの9割はネガティブで出来ているというのもあながち間違いではあるまい。
そしてまさに思い描いた通りに荒木・井端が出塁。さすが長年ベイスターズを見てきただけあって、大した洞察力でございます。
しかしさすがにシャレにならん。長打一本で同点じゃないか。
先日も満塁で三者三振に抑えた川村。
だが今回は首位中日。まさかこんなところで躓く訳にいかない中日と来期を見据えた横浜ではモチベーションが違った。
福留に打たれるとウッズ・森野が歩いて同点。あまりの牛島野球の不甲斐なさに忍びなかったか落合監督、スクイズ失敗でアウトカウントをふたつ快く献上と横浜にハンデをくれるが、アレックス・谷繁・立浪と攻撃は鳴り止む事は無く、気づけばこの回で5失点。

そして出てきた中日抑えの岩瀬は、抑えとはこういうもんだと言わんばかりに9回を抑えてゲームセット

やや失速気味だった中日に喝を入れるかのように見事な演出で中日優勝に弾みを付けさせた川村の投球は、優勝すれば川上・山本昌ら中日投手陣に引けを取らない貢献度といえるのではなかろうか。


何だか、今シーズンの横浜の酸いも甘いもすべて含んだような試合を見させていただきました。
さっさと帰った三塁側の反面、いつまでも残る1塁側の応援団が印象的でした。

…呉でおとなしくしとった方が、きっとまだダメージはなかったのぉ。

捨てられたホッシー
試合前、球場の片隅にいたホッシー
マスコットすら諦めた今シーズンのベイスターズ