チンチラのPちゃんは、皮膚科の症状で来院しました。
「口のまわりの皮膚が濡れている、荒れている」とのことでした。
確かに口の周りの皮膚が赤くなり、よだれで濡れています。
口の周り、よだれ、、、、と聞くと私たち獣医師はピンときます。
「これは歯が悪いのではないか?」と。
飼い主さんの話を伺うと、「口を気にしている様子がある」「食欲が少し落ちている」とのことでした。
口を開けて奥歯を観察すると、下図のようになっていました↓
奥歯(臼歯)の不正咬合(かみ合わせが悪い)により、臼歯に棘(歯棘といいます)ができていました。
これにより、ほっぺの内側に口内炎ができていました!
これは痛いはずです。
つまり、歯棘の形成→口内炎→よだれ→皮膚炎というストーリーでした。
なんと皮膚科の受診例が、歯科の症例となりました!
Pちゃんは麻酔をかけて、歯棘を削る処置を受けてもらいました。
これにより、お口周りの皮膚はきれいに治りました。
Pちゃんお疲れさまでした
動物は話すことができません。
今回のケースでは皮膚の症状から歯の病気に気付いてあげなくてはなりません。
獣医師には想像力や洞察力が重要なのです