まずはこちらの写真をご覧ください↓
お股が腫れているのがわかりますか?
これは鼠径ヘルニア(そけいへるにあ)という病気です。
老若男女(老若雌雄)問わず発生し、場合によっては緊急性のある病気です。
ワンちゃんの飼い主さんは覚えておきましょう
<鼠径ヘルニアって?>
動物のお股には、「鼠径輪」という穴があります。
この穴はイラストにある通り、大事な血管や神経の通り道になっています。
この穴が、生まれつき大きかったり、何らかの理由で大きくなることがあります。
そうすると、お腹の中の臓器が穴から飛び出してきます。
これを鼠径ヘルニアと言います。
腸管など大事な臓器が飛び出した場合、その臓器が壊死を起こすことがあります。
そのような場合は緊急手術が必要になります。
<鼠径ヘルニアの治療>
鼠径ヘルニアは外科手術で治します。
方法はシンプルで、大きすぎる鼠径輪を縫って小さくします。
しかし、血管や神経の通り道は残すのがポイントです。
この匙加減が少し難しい手術です。
<実際の治療例>
Aちゃんはチワワの女の子です。
お股が腫れているとのことで来院しました。
この膨らみがまさに鼠径ヘルニアです
Aちゃんの場合は、子宮が飛び出していたので切除しました
これが鼠径ヘルニアの袋です
鼠径輪を適度に縫合します。
実際の穴は2センチ程度なので、写真ではわかりにくいですね。
Aちゃんの場合は、すぐに来院いただいたので、元気に退院しました
皆さんにおかれましては、鼠径ヘルニアという病気を知っておいてくださいね。
お股が腫れたら、すぐ病院へ!