今回はハリネズミに特有の神経病について解説します
ハリネズミふらつき症候群
Wobbbly hedgehog syndrome(以下WHS)
はハリネズミさん特有の神経の難病です
<ポイント>
〇軽度の運動失調から始まり、数か月かけて進行し、立ち上がることができなくなる
〇多くの子は、後ろ足の麻痺から始まり、徐々に前足も動かなくなる
○原因は不明で、治療法も見つかっていない
徐々に麻痺が進む、ハリネズミの難病なのです....
<症例紹介>
数か月前に、皮膚のかゆみで来院した「太郎ちゃん(女の子)」を紹介します
皮膚のかゆみは、ハリネズミに多いダニ寄生が原因で、こちらはすぐによくなりました
しかしその後、後ろ足の動きがわるくなり、お尻の周りがかぶれてしまうようになりました
最初は明らかな麻痺はなかったのですが、
後ろ足の完全麻痺⇒前足の麻痺⇒排尿障害
と徐々に進行してきました
状況から、WHSと仮診断しています
(正式な診断は死後剖検でないと確定できません)
太郎ちゃんです
お顔を見てください。
難病ではありますが、とてもいい顔をしています
ごはんももりもり食べています
飼い主様がとても愛情深く看病し、
通院してくださっているお陰です
週に2回ほど通院し、
おしっこを抜いたり
お尻の周りを洗ったりしています
お風呂はとても気持ちよさそうな顔をしてくれます
太郎ちゃん、これからも頑張ろうね
いつかこの病気の治療法が見つかれば、と祈っています