超エリート私立校へ進んだ、貧しい家庭の生徒。校庭の片隅で人間の言葉を話すクジャクを見つけ、人生を変える取引をその不思議な鳥と交わしてしまう。


「超エリート私立校は進んだ、貧しい家庭の生徒」…ということで、はじめは「花より男子」の牧野つくしを連想してしまいましたが、今回の話はかなりオカルト色が強いです。でも、根本的なテーマはやはり親子関係。
親の犠牲…って事を考えさせられました。このシリーズのこれまでの3話では、親の押し付ける理想通りに生きようとして苦しむ子供の姿を見せられてきましたが、今回はどうでしょう?娘は成績も優秀で、芸術的な才能もある。十分親の期待に応えられています。親はそんな娘の将来を後押ししようと、エリート私立校の学費を稼ぐため、身を粉にして働いている。一見美談のように思えるけれど、その犠牲は本当に正しいのだろうか?
子供からすれば、身の丈に合わない環境の中で生きるのは苦しい事です。でも、親の犠牲を無駄にしないためには、そこに身を置き続けるしかない。それもしんどいなぁ。犠牲の押しつけ…こんなこと、口にしちゃ親不孝のバチあたりかもしれないけど。
この話の中の家族は、そんな生活の中で、それぞれがフラストレーションを募らせていて、モノ言うクジャクはそこのところにうまくつけ入ってきて、最後に母はとんでもない犠牲をはらうことになる。
切ないラストシーンでした。
「母は強し」と同時に、「母は愚か」。