世界を柔和なるものに引き継ぐために

私たちは何を為せばいいのでしょう?「全ての法律の元は人権である」と言ったのは佐賀出身の初代司法卿の衛藤新平侯です。人の尊厳を保障することができれば、社会に存在する多くの争いごとを治めることができます。知らないこと、理解しえないことによって差別が生まれ、憎しみが生まれます。
 全ての世界の子どもたちに教育を行き渡らせることができれば、人種や民族、宗教や国籍の違いを超えて世界は、より連帯することができます。貧困や飢餓、抑圧や暴力から私達人間を自由にするものは、戦車でもなければましてや核ミサイルでもありません。それぞれの置かれた歴史的な位相や異なる文化の違いを理解できるようになるためには、教育が何よりも重要です。教育があって初めて人は人としての尊厳を保障され、互いの違いをも乗り越えることができます。

「あなたの不安が私の安全をも危うくする。」「教育を行き渡らせることができれば、社会の様々な問題のうちの半分を解決できたのに等しい。」この人間の安全保障の理想を行き渡らせることこそが、安心と自由の架け橋を手に入れる道です。

 「緑の分権改革」「未来の学校」「言論の砦」「地域主権改革」「新しい公共」
私が総務大臣時代に打ち出した様々な改革は、その全てが人間の尊厳を保障し、安定で平和な社会を実現するためのものです。

 東日本大震災・福島第一原発の事故後の日本は、大きく変わらなければなりません。
大規模・独占・集中・排除というエネルギーのこれまでの仕組みは、権力そのものの所在とも関係する近代社会の構造そのものの上に成り立ってきました。しかし、それが成り立たないこと、別の仕組みが必要であることは、近年の格差に対する人々の抗議(プロテスト)をみても明らかです。1%の人達が富を独占して残りの99%が、まともな医療も食料も得られない弱肉強食の社会は、人間の社会とはいえません。