複数の漢和字典によると、「虹」hóng、jiàngの「虫」は蛇であり、「工」gōngが音符で「つらぬく」意味。「天をつらぬく大蛇のような虹」のこと。

 

「工」gōngを音符とする形声文字は「空」kōng、kòng、「江」jiāng(朝鮮語kang)、「紅」gōng、hóng、「功」gōngなど。ダイエーの中内㓛氏の「㓛」は右が刀だが、音符が「工」であることには変わりがない。某スポーツ新聞の記事で「力を抜かないように」という意味だったと書いてあった気がする。
 「虹」は有名な英語のrain-bowとドイツ語のRegen-bogenが「雨の弓」。フランス語のarc-en-cielは「天の弓」で、日本のバンドL’Arc~en~Cielは中国で「彩虹楽隊」Cáihóng Yuèduìまたは「~楽団」~Yuètuánのように意(イ)譯される。

 

 中国では「虹」hóngの音符に「工」gōngを使っているが、發音は「弓」gōngとも似ている。ヨーロッパ語でもシナ語でも「虹」と「弓、弧」は語彙や文字の上で関係がある。
 英語のarcとarch、フランス語のarcとarcheの関係は、漢字にすると「弓」gōngと「弧」hú=「弓」+「瓜」guā、三省堂『漢字源』によると、「瓜」は「まるい瓜の実が垂れた様子」、「弧」は「まるい曲線をなした弓」である。
 「弓」を音符とする漢字を小学館『中日辞典』で調べると、「躬」gōng(身体を曲げる)、「窮」qióng(>貧しい)、「穹」qióng(大空、高くアーチ形になっているもの)などがある。三省堂『漢字源』によると「窮」は「曲がりくねって先がつかえた穴>生活が行きづまっている>貧しい」という意味。大陸で「窮」qióngを「穷」にして、「弓」を字体から消したのは残念。
 一方、英語でbow[bou](弓)とbow[bau](身体を曲げておじぎする)がある。
 こうした東西の類似は、虹が弓のように見えるという共通性や、人が身体を曲げる様子が弓に似ていることによるものだろう。

 

Y!辞書
凱旋門
エトワール凱旋門
└→英語で triumphal arch、佛語で Arc de Triomph、独語で Triumphbogen。

 

Wikipedia
凱旋門
└→Triumphal arch
エトワール凱旋門
└→The Arc de Triomphe
└→L'arc de triomphe de l'Étoile
└→Der Triumphbogen (Paris)

 

bow[bou](弓)、[bau](おじぎする) 中国語では「弓」と「躬」がgong1と発音される。

/午後8:13 · 2021年6月4日/

 

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