【正規運賃510円→1610円も請求!?】岡崎駅でJRから愛知環状鉄道に乗り換えると面倒な事になった!

愛知環状鉄道(愛環)はJR東海道線岡崎駅とJR中央線高蔵寺駅を短絡する路線である。国鉄時代は岡多線と称していたが国鉄民営化の過程で新会社(JR)に継承されず、第三セクター鉄道として発足し沿線にトヨタ自動車の本社・事務所・工場(関連会社を含む)を多数抱え、大学などの学校も多いため立派な通勤路線となっている。全国の三セク鉄道の中では珍しく黒字経営であったりもする。

愛環と言えば2005年に開催された愛知万博輸送を思い出す。「エキスポシャトル」と称してJR名古屋~中央線~高蔵寺~万博八草(現在の八草)の直通列車を211系10両の編成で毎時3~4本走っていたのが懐かしい。愛環は高蔵寺~八草ならば万博期間中何度も乗ったが、それ以外の区間となると未乗車区間が長く残った。岡崎~高蔵寺間は1時間足らずだが、JR線ではないため(JRの企画乗車券は一部を除き使えない・別途課金)使う事は皆無に等しかった。それでも中岡崎(名鉄本線と接続・この時は自動車で直接行ったが)~八草間はなんとか2019年に乗車し残りは岡崎~中岡崎間の3キロだけが未乗車となった。これを片付けるために今回久しぶりに愛環に乗ったが、とんでもない事に遭遇した。

2024年2月24日(土)乗車

 

【高蔵寺行きなのに北野ナントカで乗り換え】

 

↑岡崎駅はJR東海と愛知環状鉄道の共同使用駅である。岡崎市の中心部は約3キロ離れた名鉄東岡崎駅付近なので、こちらはやや寂しい。両駅間は路線バスで接続するが運賃は260円~360円で電車と比べれば本数も多くない。面倒ではあるが岡崎→愛環→中岡崎(岡崎公園前)→名鉄→東岡崎の方が良いのかもしれない。とは言っても地元の人がこういう面倒な使い方はまず無いと思うが。あくまでも遠くから来た人向けの乗り方である。

 

↑オカザえもん。岡崎市のゆるキャラらしい。

 

 

↑改札口はJRと愛環が共同使用。入口の段階でJR専用・愛環専用があるわけではない。JR全線きっぷうりば(みどりの窓口)もある直営駅(有人駅)であるが、使用する窓口数は減っており俗にいう「1窓」である。新幹線・特急の停車は無いが「サポート付き指定席自動券売機」(通話型・AMV)が設置されており、要はこれで買ってくれと言う事である。

前回愛環に乗った時はTOICA等の交通系ICカードは使えなかった。2019年3月から利用が開始されたが、前回は同年2月と開始前だったので紙のきっぷで乗った。この時はカバーに隠された改札機を見る事が出来たが、今は(2024年)は当たり前のように使える。

 

 

↑岡崎駅改札口(入口)でKitacaをタッチする。左側の0番線が愛環ホームで、右側の1番線以降が東海道線である。

 

 

↑愛環の車両を「編成」で撮るため最初は東海道線ホーム1番線へ。13時27分発の1175H高蔵寺行きは北野ナントカのりかえとある。要するに北野ナントカ行きなのである。ナントカの部分が読めず。調べれば(Wikipediaや愛環HP等で)スグにわかるはずであるが、特に調べようとはせず北野ナントカで押し通す。後日調べてみたら北野桝塚(きたのますづか)と読むことが分かった。

 

↑「編成」で撮ると313系そのものであった。愛環2000系と称する車両で313系の兄弟車である。新車の製造にはコストをかける事は出来ないので、直通先でもあるJRの車両を流用して新車投入…という大人の事情が分かる。大掛かりな検査(全般検査等)については自社では出来ないのでJR東海に委託(名古屋工場に入場)しているとのこと。この辺はあおなみ線と同様である。

 

【岡崎駅でJR→愛環乗り換えは中間改札でICカードタッチが必要だがエラーで通れず】

 

↑ICは0番線ピンク色に再タッチ!とある

 

 

↑つまりこういう事だが、愛環ホーム0番線の前にゴミ箱ICカード改札機が何台もある。

JRから愛環に乗り換え・岡崎駅から乗車→ピンク色の改札機にタッチ

愛環からJRに乗り換え・岡崎駅で下車→水色の改札機にタッチ

であるが

 

↑写真が逆向きになっているが、エラーになった。何回タッチしても変わらない。意味不明。0番線から有人改札口までは遠いのでそこまで行こうとはせず。「なんとかなるだろう」と思いそのまま通過する

 

 

↑とは言っても0番線ホームの柱にはこれでもか!と言うほど

ICカードで愛環に乗車される全てのお客様はピンク色の改札機にタッチ

とある。エラーでそのまま通過すれば後々面倒な事になるのだろう。

 

【313系3000番台と同然の愛環2000系】

 

↑岡崎13時59分発1181H高蔵寺行き(2232)に乗る。車内は313系3000番台と同然であった。細かく見えれば座席の構造に若干の違いを持たせる。2両であればワンマンと思ってしまいがちだが、愛環では全列車車掌が乗務する。無人駅からの乗車の場合はきっぷの販売もするし、岡崎駅中間改札でICカードにタッチし忘れた(エラーになった)場合も車掌に申し出るようにマイク放送される。だが「下車駅でなんとかなるだろう」と思い無視する。

愛環の未乗車区間はスグに終わる。岡崎駅を発車すると東海道線と長々と並走するがそれがようやく終わると最初の駅六名(むつな)。次が中岡崎で名鉄本線が下から見えてくると到着。相対式ホームだ。これで愛環は完乗した。降りて名鉄本線乗り換えのつもりが無く、同じ名鉄でも豊田線との乗り換えが出来る新豊田まで乗る。

 

 

↑北野桝塚駅に到着。かなり広い構内だ。ここで乗務員交代。運転上拠点となっている駅で車庫も併設。先ほどの北野ナントカ行きは車両交換のため。列車番号は1175H→1177Hに変わる。実質的には別の列車となる。

愛環は高架線になっている所が多いが、複線と単線が繰り返される。この辺は歴史的な経緯がありそうなのであえて深入りはしない。周辺はトヨタ関連の事務所や工場が多く、住宅も目立つ。大きな高架橋が愛環をオーバーパスするとこれはE1東名(E1A新東名)で豊田JCT付近であった。どの駅でもお客が動くため車掌も忙しく車内を回る。

 

【岡崎~新豊田間の正規運賃510円のはずが1,610円もICカードから引き取られる】

 

↑新豊田駅に到着。岡崎からは約30分かかった。

 

 

↑ホームは相対式で、発車案内装置・駅名標はJR東海に準ずる。三セク鉄道ではあるあるの事でもある。

 

新豊田駅の改札機をタッチする。岡崎駅の中間改札でエラーになったので通れないかと思った。何の事も無くフツーに通る事が出来た。しかし、引き取られた額を見てビックリした。岡崎~新豊田(愛環経由)では正規運賃510円のはずが…1,610円も取られた。正規運賃の3倍以上の額は納得出来るわけがなかった。

一応券売機でICカードの履歴を印字する。確かに1,610円引き取られた事が確認出来た。券売機上にある運賃表を見ても510円であった。2回も余計に乗っているわけではなかったので、有人窓口(有人駅)で事情を説明した。とは言われても駅員も何故3倍以上の額がICカードから引き取られたのかわからない。いずれにせよ1,610円と言うのは正当な額ではなかったので、1,610円ー510円=1,100円(余計に取られた分)を現金で返金してもらう。端数分(100円)はチャージ出来ないので、1,000円を券売機でチャージしKitacaの残金はほぼ同じとする事が出来た。

 

【岡崎駅の愛環ホームでタッチし忘れると(エラーになると)金山・高蔵寺経由で計算される】

これが1,610円の根拠であった。すなわち、崎~新豊田間は北野桝塚(愛環)経由とはみなされず、岡崎~金山間は東海道線・金山~高蔵寺間は中央線(ここまでJR線の運賃)+高蔵寺~新豊田間は愛環の運賃を合算した額を請求されるのであった。

具体的な額は計算していないが、そうであれば1,610円になってもおかしくはなかった。

とは言え、岡崎駅の中間改札でタッチしたがエラーになった時点で、同駅の有人改札口か愛環の車掌に申し出れば、こんなことにはならなかった。「考えが甘い」とか「そういうのは自己責任」と言われればそこまでだ。

20年近く交通系ICカードを使っていてこういうトラブルは初めてであったが、便利さ故に怖さを痛感させられた。