(つづき)確信は、知恵というものは、強調点を置く術だ、ということです。

 

(ヴィオレット) わたしはそれは承服できません。強調点を置くのはわたしたちではありません。わたしはこれまで、余りにも嘘を言ってきました。

 

(アリアーヌ) 良心のためらいを、もっと高くて、もっと公正な目的のために犠牲にしなければならない場合があるのではありませんか?

 

(ヴィオレット) その犠牲というものは、裏切りに似ています。

 

(アリアーヌ) 何かを決定することは、いまの場合、問題ではありません。でも、私は、恐怖せずに、あなたがその重大さを測らずに危険に走るのを見ることができません。

 

(ヴィオレット) あなたは、何と、彼の弱さを、彼の臆病さを、確信していることでしょう! 何と、あなたは彼を軽蔑していることでしょう! そんな権利はあなたにはありません。誰かが彼を駄目にしたとすれば、それはあなたではありませんか?

 

(アリアーヌ) 確かに、私が、あなたの前で、私だけのために保っておくべきだった不安を表明したのは、間違っていました… それで、実際、どう予見するの? 私たちの想像しない、ほかの状況が起こるかもしれないのよ… 出来事の無拘束な戯れからは、殆どいくらでも、何でも出て来るのよ。