初再呈示 

 

いまのぼくが言いたいことがそのまま過去節に書かれていることが多い。

 

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まともな手合いではない人間が多過ぎる

 

これはぼくの人間経験の総集だが、この世はまともな手合いではない人間が多過ぎる。ここにおいて、理屈や主張は何の意味もなさない。学問をやっても何にもなっていない。自分をほんとうに反省するという一事ができていないからである。アランの『デカルト』もますますそれをたしかめさせる。

 

こういうことは、はっきりと書いておくことじたいが、認識の力となり、鎮静力となる。ゆえに、そろそろ書こうと思い、書いたのだ。自分のために。お人好しをやめて、自分を整えることは、よいことだ。 

 

まともな手合いではない人間が多過ぎる、単純な言表だが、世のなかについてこれほどの真実があろうか。自分に引き籠もれない者は、他者の前に出てゆくことは安全ではない。トマス・ア・ケンピスも賛同するだろう。修道士は、お人好しや博愛とは反対だ。自覚的な人間の路そのものなのだ。 こういう一事を書いておくのも、気概と勇気が要る。 ぼくは世の気に入ることは書かない。