どうも日本人、とくに日本の男社会の集団主義の根底には、相手が甘えさせなければ腹を立てて暴力を振るう、甘えの暴力があるように思う。相互に同調し合う傾向が、それ自体、個の自立性にたいする圧力となっている、と思う。この圧力は、無思想的な感情暴力であり、しかも甘えの感情の暴力である。日本の男を根本において これいじょう駄目にしている心性は無い。甘えの暴力は、集団の暴力である前に、精神の自立が出来ていない個人が振るう暴力である。この人間の思想の根本の問題を反省せずに、柔道だ空手だスポーツだと奔っても、何も人間の解決にはなっていない。真の男らしさは、日本のいわゆる根性では培われない。哲学する知性によってのみ基礎が据えられる。日本がいつまでも西欧から一人前扱いされない所以はここにある。 

 

ぼくの経験そのものから、ぼくはとくに日本の男の甘えの暴力を絶対ゆるさない。 相手にしてほしければ じぶんが一人前に(人間に)なればよいのに、それが分からず出来ない男までいた。