もともと節分は、立春の前日の行事ですが、旧暦では立春は正月1日で、その前日は大晦日です。「新しい年を迎える」に当たり、これまでの1年間の厄を払い、新しい年が良い年であることを願う「豆まき」の行事が主体でした。
一方「恵方」とは、やはり立春の前日に、新しい年の干支にもとづいて歳徳神のある方向に向かって事を行えば万事に「吉」とされるとして定めた方角です。そのため、それまでの年の福と縁を切らないという意味を込めて、巻き寿司-(太巻き)を途中で切らず、家庭で特別料理として作り、その年に決まっている方角(今年は北北西)に向かって家族皆で食べる行事の様です。
「恵方巻きー太巻き」は、江戸時代の終わりころ、大阪商人が商売繁盛と厄払いを願って海苔巻きを恵方に向かって食べたのが始まり、とされている。「恵方巻き」として外売りして全国的になったのは、ほんの10年以上前に、コンビニが「販売拡大のイベント」としたのが原因と言われている。そして現在では「豆まき」と並んで節分の行事としておこなわれている。
つまり、「豆まき」も「恵方巻き」も「悪いことを祓ってから幸福を呼び寄せる」ことを祈念する行事で、1日に2つの行事を行うことになる。
伝統的な豆まきだけにするか、恵方巻きだけにするか、両方とも実施するのか、は、決まりはないようだ。
ただ、今年は恵方巻きの販売で、予約販売導入、アルバイトの学生にもノルマを課し自腹で購入させる等販売を強烈にあおる半面、大量の売れ残りが発生し廃棄処理が増大する等相当な行き過ぎがあった模様。恵方巻きの本来の意義を軽視して、商売優先の姿勢が横溢していたことは残念なことでありました。
KMS