医療保険の損得 | NPO法人鎌倉ファイナンシャル・プランナーズ

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 生命保険(終身)の払込みが終了したが、特約で付けておいた医療保険の納付書が毎年のように送られてくる。毎年、この保険をこのまま続けた方が得なのかどうか考えてしまう。生命保険は、人はいつか死ぬものだから加入しておけば遺族が給付金をもらえる。しかし、医療保険は病気やケガで入院しなければ払い損になってしまう。しかも「1入院O日」という制限があれば、給付される金額はさらに少なくなる。

 高齢になると病気になる確率は高くなる。終身の医療保険に入った方が良いと勧められると、高い保険料を不安解消のために払うことにもなりかねない。保険は貯蓄で賄えない事態になった時に、家計が破綻するリスクを避けるために入るものだろう。高い保険料で家計が圧迫されるようになったらおかしなものだ。

 民間の医療保険は、健康保険や介護保険等でカバーされる部分が大きい。もしカバーできない時は貯蓄で賄うこともできる。入院日額1万円・1入院60日の医療保険なら、貯蓄が60万円もあれば給付金と同じになる。
だが実際に払う自己負担金額はそんなに高くはない。、健康保険に加入していれば病院の窓口で払うのは3割、そして高額療養費制度を利用すれば70歳未満で所得金額210万円~600万円までなら月額医療費が100万円かかったとしても、窓口負担は30万円、その場合の自己負担は87430円ですむことになる。そんなに貯蓄がなくても賄える。

 もちろん入院を毎年のように繰り返したり、公的保険で賄えない支出もあるのでまったく不安がないわけではない。安心料として、支払額の少ない保険に加入しておけばよいとも思ってしまう。リスクに対する不安感は人それぞれ違うから一概にはいえないが、「貯蓄は何でも使える万能の保険」という考え方も忘れないでおこう。

(Y・H)
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