デフレの原因は春闘にあり
12年以上にわたる長期デフレは
「内外価格差の収斂」つまり日本
と海外の物の値段が頻繁な海外
旅行や活発な貿易活動によって
収束していき、やがて両者の物価
に差がなくなることによって起きて
いるとされています。
日本の物価が海外並みになる
ことが、そのまま、デフレという
状況につながっていたわけです。
ではなぜ日本の物価は世界に
比べて高かったのでしょう?
原因の一つは「春闘」にありました。
毎年行われる労組と企業側
の労使交渉「春闘」において
労働賃金は毎年あがり続け、
ついには世界一といわれる
高い人件費を日本株式会社
は、つくり出していたのです。
賃金の上昇は以下の二つ。
定期昇給=年功序列で定期的
に昇給する仕組み。平社員より
も部長の給料がいいのは定期
昇給によります。
ベースアップ=個人の成果主義
によらず、企業収益を労働者全
般に分配する仕組み。株主配当
が少なかった理由でもありました。
日本は高度経済成長期間から
それ以降も毎年行われる春闘
によって業績のいい業種が給料
をひっぱる形で賃金は毎年10%
上がりつづけていたのです。
高い労働賃金=人件費は物価
を引き上げ、内外価格差を作り
出していたのです。しかし、日本
は経済成長率が高く、企業収益
も高かったため、さらに、組合の
基盤となる左翼勢力も強かった
ため毎年のベースアップは容認
されつづけ、賃金と物価も上がり
つづけて来たわけです。
ところが1990年バブル崩壊で
長期不況と生産性の低い過剰
雇用。さらには中国など海外低
価格産品の大量輸入によって、
歯車が逆回転し始めた訳です。
つづく