『ミッドナイト・イン・パリ』
(C)Photo by Roger Arpajou (C) 2011 Mediaproduccion, S.L.U., Versatil Cinema, S.L.and Gravier Productions, Inc.
ウディ・アレンと言えば、ニューヨークのイメージがやっぱり強いのだけれど、でもでもそれでも、パリは憧れなんだなぁ…って、しみじみ感じた映画でした。
まずはオープニングから、それが分かるもの。
主人公の、オーウェン・ウィルソンが、いいです。
自然体の演技が、この映画の雰囲気にぴたりとはまっています。
で、レイチェル・マクアダムスと、マリオン・コティヤールの、ダブル・ミューズも、素晴らしい。
でも本当の主役は、パリの風景なんだな。
昼間のパリ、真夜中のパリ…
バゲットの似合うパリ、雨のパリ…
作家のパリ、画家のパリ…
エッフェル塔に、オランジェリー、
セーヌ川に、マルシェ…
これは、ウディ・アレンが愛するパリの、趣きあるタイムスリップ・コメディ。
それでもって、説教くさくないテイストで、人生の教訓がちりばめられる…。
スクリーンによみがえる、ヘミングウェイにフィッツジェラルド、
パブロ・ピカソに、サルバドール・ダリ。
思わずにニヤリとしてしまいます。
いつの時代だって、過去のある時期が理想だったり憧れだったり。
でも、生きなきゃならないのは、“いま”なわけなものだから。
ベル・エポックと、1920年代―
パリの二つの黄金時代は、それはそれは素晴らしい。
でも、この今の時代だって悪くはないでしょう。
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