(1013回)






兵之助は極楽寺を後にする時から
ずっと篠尾山を
見定めていたのである。


案の定
道は何度も分かれ道に遭遇した。

しかし
兵之助はただただ
篠尾山を目指した。

薄暗くなったときに
天満宮の明かりが灯り

自分たちの行先を示してくれている
その光を目指して

一度も迷うことなく
佐方八幡神社まで
辿り着いたのであった。


星は青く輝き
月の光に照らされた
白っぽく見える
道を
歩いてきた。


兵之助の母と
與吉のお爺さんが


佐方八幡神社の前に
提灯に火を灯して
待っていた。


叱られるかと
覚悟は決めていたが

「迷わずに帰って来れましたね」
との母の声に

「ご心配をおかけしました。」
と素直に謝ることができた。



兵之助のお母さんはな
兵之助が日頃から

方角や地形のことに
非常に詳しいことを
知っていたのじゃ


それで
この子は
道に迷うようなことはないと
確信しておられたのじゃ


兵之助はこのように
色々な所へ行っても

必ず
自分の今いる場所は
家から見て
何処にあり

どのくらい離れているか
いつも考えていたようじゃ



次は
妹背の滝の話をしよう




今日は

これまでじゃ

・・・・・・・・・・・・・
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広島県
山陽女子短期大学 臨床検査学科
待ってるよ!
谷口薫