昨日、フジテレビでドラマ『マウンテンドクター』が始まった、偶然、見ていた。
内容は、北アルプス(だと思う)を舞台に山岳医を描いた関テレのオリジナル作品。
 

かつてのコード・ブルーなどと比較しても、いかにもゆるい設定であった。

 

大学生と思われる5-6人の男子が軽装で登山していると、登山中のベテラン山岳医に窘められるが、無視して登山を継続。さらに、立入禁止を無視して入り込み、足を滑らせて3人が大けが。ヘリコプターで救助に同行した主人公の若手医師(のちに山岳医)が症状をみていると、一人が苦しみだすが、原因がわからず、ケガの2名の搬出を指示してしまう。そこへ、さきほどのベテラン医師がきて、「気胸」だと判断して肺から余剰の空気を抜き、一命をとりとめた。若手医師は気づかなかったのだ。

 

さて、さすがに今時、2000m~3000mを目指すのにスニーカーで来るやつはいない。ベテラン医師は軽装だから注意した訳だが、実際に遭難したのは、立ち入り禁止を無視したことであった。おかしいでしょ。むしろ、急激な天候変化で雨に濡れて低体温状態となり死にかけるとかじゃないとつじつまが合わない。演出上、へりで颯爽と若手イケメン俳優が出てくることがよほど重要だったのだろう。

 

次に、気胸なんて、私だって疑うって。

 

そもそも、整形外科として赴任したら、いきなり山岳医を兼務させるっておかしいでしょ。土日は山小屋に駐留するらしいが、ケガはもちろん、呼吸系の不調について何も知らないって人を殺してしまう。また、この医師、休みがない。もし雇用契約であれば、法令違反は確実。超ブラック職場。平日、整形外科医で勤務して、土日に高峰の山小屋まで登山して駐在するなんてありえない。登山で最も避けるべきは、睡眠不足。高山病にもなりやすい。

 

さらに、何も遭難現場まで医師が同行するってかなり違和感がある。ヘリコプターで遭難現場に近づくのはそもそもリスクが高い。ドクターヘリのように遠隔地の平地ではないのだ。一度、ヘリコプターでの救助現場に立ち会ったことがあるが、大型ヘリが強風で何度も流されていく中で強行着陸するのをみてぞっとした。本番組でも、医師をいったん、ワイヤーで降ろして、また収容しているが、これって恐ろしく時間の無駄。ヘリコプターは300km/hくらいでるので、飛び立てば速い。よって、同乗するメリットよりデメリット大だと思う。

 

最後に、医師、看護師とも、ルックスが良すぎるし、身なりが綺麗すぎること。患者と称した「推し活」がはやりそうだ。なお、今は知りませんが、宿泊を伴う登山の場合、お風呂はありません。あんなイケメン医師や綺麗な女医さんも・・・。