先々週の教室では5題練習しましたが、先週は「元二の安西に使するを送る(王維作)」を除く4題練習しました。


内2題は合吟ですが、Oさん、Kさんは「石鎚山(海量法師作)」をしっかり覚えたとの事ですので、私もそろそろ覚える準備にかからねば。


この吟は12月に行われるテイチクの大会で予定されている、我が会の男性11名での合吟です。


特にKさんですが、愛媛出身ですので、石鎚山は子どもの頃から慣れ親しんでいた山との事です。


石鎚山は、山岳信仰(修験道)の山として知られ、日本百名山、日本百景の一つであり、日本七霊山のひとつとされ、霊峰石鎚山とも呼ばれるそうです。


最高峰は天狗岳(てんぐだけ、標高1,982m)で、近畿以西の西日本最高峰です。


海量法師(1733~1817年)は江戸時代中期の僧・歌人で、近江の国(今の滋賀県)のお寺に生まれて住職となり、その後江戸に出て歌人となり、後に近江に戻り彦根藩主の命を受けて諸国を視察したのですが、その間に四国へ立ち寄った時の作です。


起・承句で天涯の地、南予の地形の険しさを詠い、転・結句で石鎚山に雪が降っている情景を詠っています。


暮春三月は新暦の4月下旬から5月中旬辺りの季節なので、四国では残雪はあっても雪の降る時期ではないと思いますが、当時は降ることがあったのでしょうか?


事実関係はともかくとして、こんな高峰だからこんな時期にも雪が舞い、それが花のようにと言って、意外性だけでなく春の明るさもあらわそうとしているのでしょう。


      イシヅチサン     カイリョウ ホウシ 

   石鎚山   海量法師


  エンユウ  センリ   テンガイ    ワタ

 遠遊 千里 天涯を 度る


  ナンヨ      サンセン  コウロ   ナナ

 南予の 山川 行路 斜めなり


  ヒト    イシヅチ    サンショク  オ        ア

 独り 石鎚の 山色を起こす 有り


  ボシュン  サンガツ ユキハナ    ゴト

 暮春 三月 雪花の 如し


【通釈】

千里の遠くまで旅をして、地の果てに来た。

ここ南伊予の山々は切り立って険しく、川をめぐって道は斜めに続いている。

ただ石鎚山だけがすばらしい山の景色を表している。

晩春の3月であるというのに、花のように雪が舞い降っているのだ。


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