「眠い」

「煩い」

「邪魔だ」

どうも口が悪い。
抑えられない。

「ゆっくり休んで」

「賑やかじゃないの」

「あなたの視界に入ってる証拠ね」

君の言葉は柔らかい。
僕の言葉は醜い。


「頼むから、構わないでくれ」

行かないで、

「あら、うさぎは寂しいと死んじゃうのよ?」

寂しい。

「寂しさで勝手に死ねばいい」

生きて__



どうしても僕は本音を言えない。
嘘をついてしまう。
生まれた時からの性(さが)だろう。

「狼少年はホラ吹きだ!ってね」

君は笑顔で言う。
全部筒抜けなのだろうか、

「私は人間、貴方は狼、これだけは嘘じゃないんだよなぁ」

今度は泣きそうな顔で、
忙しい野郎だ。

「ねぇホラ吹きさん。私を狼にしてよ。」

「俺は狼だ。ホラ吹きだが、人を狼に変えられる程たいそうな奴じゃない」

「そう…それでもいっか…」

俺の毛並みを整える様に、ゆっくりと撫でるその手だけで、俺は壊れてしまいそうになる。

「狼さんを好きになっちゃった。」

儚げな顔に反し、その声色は新しい宝物を見つけた子供の様だった。



ホラ吹きと娘。_完



短編第二段。
僕のディズニーで一番好きな映画は「美女と野獣」です。そして一番好きな動物の一つオオカミ。ふと人がもし狼に恋したら、なんて発想から書いてみました。
これからもいろんなジャンルに挑戦していけたらなぁ。

一読してくださった方、ありがとうございました!