患者家族学について | 健太の白血病闘病記~余命半年を生き抜く~ブログ

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余命半年を生き抜く混合性急性白血病患者の闘病記

予後不良タイプで余命宣告を受ける。また、末梢血の白血病細胞(ブラスト)の数が、54万個/μLと、病院の最高記録を大幅に更新した。(もはや、血液機能は失われており、いつ死んでもおかしくない状態だった。)

白血病という病気は患者だけではなく、家族全体で抱えこまなくてはならない病気です

これが最初に感じたことでした。他の病気だったら、自分で病院行って、たとえ入院しても、病棟にある洗濯機を使って生活ができる。

しかし、白血病は無菌室に入ったり、感染症防止等により、行動が制限され、自ずと家族のサポートが無いと成り立ちません。


患者家族は「第二の患者」であり、時には患者よりも深く傷つき悩み苦しみます。なぜなら患者を大切に想いながら自分のことや周囲のことも考えなくてはならないからです。

家族が精神的に辛く耐えられなくなり、自覚症状が出た時に、担当のお医者さんは、精神科の受診をすすめるでしょう。

家族は患者の前では気丈に振舞わないといけないと思い、それゆえ、患者の看護が原因で精神科等に掛かるという状況は作りたくないという思考が働くんじゃないかと思います。


実際に、国立がんセンター病院研究所の精神科を受診された、がん患者家族の方は、僅かに2.4%に過ぎないとあります。

理想的には、金銭的、肉体的、精神的にダメージを受けている家族に対するカウンセリングの仕組みが望まれます。現実的には、投薬で精神的苦痛が軽減されるのならば受診するべきだと思います。

同じ悩みを経験した事のあるサポートシステムとして、各地にNPO法人「がんサポート」みたいなものがあり、お互いに共有する苦痛を吐露すことで楽になることもあるようです。

病院によっては、がん告知をタブーだと思っている医師はまだまだ多いようで、必要最低限の情報を、その都度、小出ししてくる病院もあります。

主治医と患者本人、そして家族が同じ情報を共有することが大事だと思います。


不安の根底には、死に至るかも知れない病に突然襲われた時、漠然とした不安感に包まれ、患者自身は病気の情報を入手する時間もありません。医師が充分な説明をしてくれても、それを理解する知識と受け入れられる精神状態の問題もあります。


僕の場合は、死を最初に覚悟し、「生き残れたら儲けもの」というスタンスを早い段階で確率しました。とはいえ、1週間後の治療がどんなもになるのか、いつになったら白血球、赤血球が回復するのか、といったスケジュール感が判らないときは、やはり不安になります。


「知ること」は良いことも残酷なことも大切です。短期・中期に関係なく将来が見えてこそ、目標や今なすべきことが明確になります

病気の種類、治療方法、薬剤のことや副作用について、一般的にはどういう過程をたどるのか、その中で実際に自分に対して行われる治療法、また使用している抗癌剤や抗生剤、その副作用と治療効果を把握しすることが大切です。


例えば、毎日メモをとります。飲んだ薬、投与された抗がん剤など、その後に起きた血液データの変化、副作用など。予め薬の副作用を知っておくと、自分にそろそろ異常が出ないかと気になって体を観察し、何かあればすぐに看護師に伝えることができます。


「なんで熱が出るんかなぁ?」とか「このブツブツは何なんかなぁ~?」って不安になるのではなく、抗生物質の投与によるものかなと推測できるだけで、気分は楽になります。もちろん違う原因の場合があるので、採血してもらって細菌検査をしないといけない訳ですが、何も知らないで結果を待つより、どれだけ気が楽なことか。

患者本人からすると、家族の負担が気になります。おそらく「毎日来なくても良いよ」と言うでしょう。

一方で、「さみしい」気持ちもあります。

僕はルールを作りました。「2日に一度、天気が悪い日は見舞いに来ない」としました。どんなルールでも良いので、何時来るかわからないのは不安だけども、来る日が判っていれば安心でしょう。

時々、ものすごい体調が悪いときは、会って姿を見られるのが嫌だったので、検査とかがあるので、今日は来なくて良い、って言う事もありましたが。



白血病はほかのガンと違って、遺伝性はありません。生まれてきた後、紫外線や活性酸素などにより、遺伝子が傷ついて、その蓄積が病気の発症につながります。染色体のどこに傷つくかは「運」です。

ですから、家族が同じように白血病になることは確率的にはありませんが、家族からがん患者がでると、家族も動揺することでしょう。白血病は後天的で、子孫にも遺伝しません。



家族のサポートは欠かせませんが、最後は「患者の自己努力」になります。


治療に伴う副作用や行動制限によりストレスが蓄積しますが、その環境下で「どれだけ前向きな姿勢を保てれるかです個人の性格特性により異なる「心の衝撃を和らげようとする心の制御」は、本人の自己努力ですが、周りのコミュニケーション等の接し方で誘導できる部分もあると思います。

ただし、誘導する場合は、疑念が生まれる言葉やエビデンスの無い話、はタブーです。


コミュニケーションの重要性があります。医療スタッフや他の患者、家族等、周囲からの充分な支援を受けるためには、八方美人になることです。第一印象は大切です。


医師や看護師、医療事務、介護師、清掃業者などのスタッフ、同室の患者さんとそのご家族と親しくなると、色んな情報も入ってきますし、やはり気にしてくれる存在となり、用はなくても声を掛けに来てくれたりします。より良いコミュニケーションを望むなら最初の態度や会話に少しだけ気遣うと良いのではないかと思いました。

また、積極的に声を掛けるようにすると良いでしょう。これは患者本人だけでなく、家族も実践した方が良いでしょう。


あと、入院中に看護師や担当医がベットに来たとき、患者も家族も真剣なあまり、医者や看護師の行動を監視(凝視)したり口出しするのは、あまり望ましくないと思います。プレッシャーを感じると、医師も看護師も言葉が少なくなるかもしれません。

重篤な病状説明や困難な治療の話は心穏やかでは無いのは当然ですが、なるべく医師の話のリズムに合わせて聞きながら(途中で遮ったりしない)、聴き終わってから質問すると良いです。(ただし、判らない用語が出てきたときは、その時に聞きます)


折を見て、先生に治療方針について質問することは大事。

自分で治療情報を収集した場合、主治医へ「この治療は自分に当てはまりませんか?これはどうでしょう?」と、ぶつけることは大切です。主治医も情報を集め調べ検討し答えを返してくれる場合もあるし、関ジャニは伝えてないけど既に実施していたりします。(ただし、患者からの質問を嫌う主治医もいるので、その場合は止めたほうが良いかもしれません)



患者家族のタブー

①「頑張れ」は禁句

 これほど患者にとって不快な言葉はありません。大抵、こう言われたときには、患者はこう思います。

 「命がかかっているんだから、あなたに言われなくてももう充分頑張っている。これ以上何を頑張れというの?あなたも病気になってごらんなさい」


正解は「よく頑張ったね」、「こんなに頑張ったんだ」です。まさに幼子に対するように。


②食事を無理に食べさせない

 一般の方はもちろん、医療関係者の中でも、抗がん剤治療中で食欲がないときに無理に食べさせようとする方がいます。

そもそも「二日酔いで食欲がありません」とはわけが違うのです。抗がん剤は、体全体の細胞にダメージを与えていて、食べ過ぎ飲みすぎで食欲がありませんというレベルではなく、実際に消化管がダメージを受けているのです。特に、口内炎が出来ているときには、消化管も同じようにダメージを受けていると言われます。そんなときに無理に食べても、栄養が吸収されるはずもありません。


「患者が食べれないものは食べれない」と思っているので、迫られるとつらいのです。


医者関係者は、患者を沢山診ているが、実際の患者の苦しみは体験していないのです。


よく 「体重が減るとよくない」と言われますが、それは体重に対して、抗がん剤等の投与量を計算するからです。体重変動が激しいと、その都度計算するのが面倒だから、体重を維持して欲しいだけです、

無限に減っていくわけではないので、大丈夫です。ずっと食事が摂れないと問題ですが、栄養点滴でどうにでもなります。ただし、長期間になると拒食症や、腸内細菌の餌不足という問題がでてきますが。

抗がん剤の副作用が消えて、食欲が回復した時に食べれば十分です。

その間は、ゼリーとか食べやすいものを少し摂ればOKです。

まぁ、高齢者の場合、栄養点滴のうち「高カロリー輸液」を長く続けると、血管が傷つくので良くないですが、そもそも高齢者に長期間、食事が摂れなくなるような治療はしないと思います。


あと患者本人にありがちな勘違いですが、薬の影響で、異常に食欲が出てきて、バクバク食べてしまいます。実際は消化管がやられているので、いずれ悲鳴をあげて、ゲーゲー吐き出す、下痢が止まらない、というパターンもあります。食欲があっても負担をかけないようにすることが大事だと思います。


③かぜをひいた時、体調が悪い時は見舞いには行かない

抗がん剤治療をしていると、白血球(好中球)の数が減少して、通常ではかからないような感染症にかかったり、感染症への抵抗力が著しく落ちたりします。こういうときにゴホゴホ咳をしたりしている人、あるいは症状はでてきないが保菌している人が見舞いに来ると、患者の感染症の原因になります。元気な時も必ずマスクをしましょう。


④見舞いの品はよく考えて

 「食べなきゃ体力がつかないぞ」とか言って、食べ物を持っていくことがあるでしょうが、白血病患者の場合は感染症の問題があり、生鮮食品やサラダなど、火の通っていないものほか、色々食事制限があります。医師や看護婦さんに確認しましょう。花をもっていくのも、ダメです。花屋、土に微生物が付着しているからです。紅茶のティーパックとか、ペットボトルの飲料水とか、個別包装のお菓子とか、が無難です。


⑤子供は連れていかない

お孫さんの顔をみせえたら、元気100倍になりそうなものですが、白血病患者は感染症が一番怖いのです。子供は歩く生物兵器です。学校や保育園でいろいろな病原菌を移しあいっ子しているんですね。

子供が親の姿をみてショックを受ける場合もあると思います。天的につながれ、髪は抜け、弱々しい状態を見せる訳ですから。ある程度、物事が理解できる中学生ぐらいなら良いですが。


⑥見舞いの時間は考えて

時々、ある患者のところへ会社の同僚やら家族やらが大挙して見舞いに来て、寝ていた患者本人を叩き起こして「元気かー!昼間から何寝てんの~」といった風景を見ます。


はっきりいって、拷問です。吐き気が強い患者や、体力のない高齢患者は、抗がん剤投与中に睡眠剤を投与してもらって眠っていることも多く、睡眠がが苦痛から逃れる唯一の手段なのです。また、見舞いに行った患者だけでなく、同室の患者への配慮に駆けるケースも。眠っている場合には、静かに立ち去る。どうしても起きているときにお見舞いしたいのなら、担当の看護婦さんに大丈夫かどうか確認したり、事前に患者にアポイントを取るようにしましょう。



⑦終活(しゅうかつ)

白血病に限らず、がんは必ず治せる病気ではありません。

そのため、治療法が尽きたときは、余命をいかに過ごすかが重要になります。

寝たきりになって、病院で1年中、点滴につながれたまま最後を迎えるのもひとつの道です。

退院して、やり残したことをやるのもひとつの道です。

「人生の終わりに向けた活動」を準備することをサポートすることも大事です。

主な事柄としては、やり残したことの実現、生前のうちに自身のための葬儀や墓などの準備や、残された者が自身の財産の相続を円滑に進められるための計画を立てておくことが挙げられる。


実際に、入院中に亡くなられた患者のご家族が、看護に集中していて、突然の死に途方に暮れ、葬儀や親しい人への連絡など、遺体を引き取るまでの間、病院で携帯電話で準備に追われて大変な思いをした家族に遭遇しました。

その時に、「亡くなるのは判っていたのに、なんで準備してこなかったんだろう」と息子さん夫婦が後悔している姿が忘れません。


元気になることを目指しつつも、最悪のケースを想定して準備するサポートも大切だと思います。


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