以前NHKで菅野音楽を解説した際に、彼女の楽曲の変遷を3つの時代に分けて
お話しました。


1)デビューから1900年代までを

 #『センスの時代』

 ここには、抜群のセンスを誇る作品が並びます。
『時の記憶』『約束はいらない』『奇跡の海』『プラチナ』など

この時代の曲は、きっと彼女の持って生まれたセンスをそのまま発揮するだけで
良かったのではないか、と思います。

我々の世界に衝撃的なデビューされた『菅野ショック』の1stインパクトです。


2)2005年頃までを

 #『サウンドの時代』

ここは、色々な印象的なBGMがキラ星のように発表されます。
『カウボーイビバップ』『ターンAガンダム』『WOLFS RAIN』『攻殻機動隊』など

凄くユニークで、ポップなのにどこかアカデミックなサウンドの連続です。
その織り込まれた密度の濃いアレンジ能力には、感動を覚えます。



3)~現在に至る、を


 #『洗練された下世話の時代』
 と、ネーミングしました。

ここには、
『創聖のアクエリオン』『マクロスF』などがあります。

本来、”洗練”と”下世話”は相反するもので両立など不可能なのですが、
あえてそう言う言葉を使ったのは、
彼女の音楽は”よりマニアックな音楽指向”と、
その真逆である”親しみやすいメロディーの追求”の両方を目指しているのではないか?
と、感じるようになったからです。

分かりやすくシンプルなメロディーながら、それを支えるサウンドは綿密に計画された
リズム、ハーモニーを持つ、洗練度の高いアレンジがされるようになりました。

中でも
『トライアングラー』
『ライオン』
『ダイアモンドクレパス』
など、メロディーはひたすらシンプルに作られているのに、一曲を通して聴くと、
その完成度、洗練度の高さには本当に驚かされます。


この3つの時代を通して、
衝撃的なデビューの後に”抜群のセンス”で人々を魅了し
圧倒的なサウンドでその道の同業者やプロ達からも絶賛され
すべての音楽ファンのために”歌”と言う分野に定番曲を作ってくれました。




私は今、凄く彼女に感謝をしています。


素晴しい楽曲を、こちらのアニメ、ゲーム界に提供してくれた事。

そして、彼女の出現が私自身の生き方、気概、スキルアップに影響を与えてくれた事。

なにより、彼女の出現以降、日本のアニメがより一層世界中の注目を集めた事。


どの世界でも同じです。

タイガーウッズや石川遼くんの出現で、ゴルフ界自体のボリュームが大きくなったように、
菅野音楽が世界に注目されればされるほど、私達のような同じお仕事をしている人間の作品も
新たなファンの方に聴いていただけるようになりました。

私の曲も、確実に世界中に広まって行くのが良く分かるようになりました。


これは、彼女の出現による所が大きいと思われます。



思い出していただきたい!

菅野以前と菅野以降を。


こんなにも変わってしまった!

ボリュームもレベルも作品の傾向もファンの方々の考え方も、、、、


それは好き嫌いはあると思います。
変化に戸惑う方もいらっしゃると思います。

しかし、すべては変化して行くものです。
今日の事は確実に明日には過去の事になるのです。


変化を受け入れ、それを楽しみ、感謝する事が一番大事な事ではないでしょうか?



そんな社会現象まで引き起こしてくれた菅野さんは、

もう一度言います。


菅野よう子さんは天才です!


以上、ありがとうございました。