私の食道がんは日本人に珍しい「腺がん」で、胃の近くにがんがあったこと、術後の摘出リンパ節の顕微鏡検査で、2箇所がん細胞が確認されたこともあって、胃がんの術後に服用されるTS-1という抗がん剤を服用することにしました。

※詳しい経緯は、以下でご確認ください

今回は、服用後から5か月経った現在に至るまでの副作用との闘いを整理したいと思います。副作用は完全個人別と聞きますので、私よりも軽い症状で済む方、もっと重たい副作用と闘っている方がいらっしゃる前提で、ひとつの事例としてお読み頂ければと思います。

 

術後の担当医の先生からの副作用の説明では、「のみ始めの副作用が少し大変かもしれませんが、その後は大体収まっていくようです」というもの。

 

〈当初の服用サイクル〉

 説明書などには、「4週間服用して、2週間休薬」というサイクルが記載されていますが、私の場合、担当医の先生から提示された「2週間服用して、1週間休薬」のサイクルでスタートしました。

 

〈説明書に記載されている副作用〉

◆自覚症状があるもの

  吐き気・嘔吐・食欲不振・口内炎・下痢などの消化器症状、色素沈着、発疹、疲労感 など

◆自覚症状がないもの

骨髄抑制(白血球減少・赤血球減少・血小板減少など)、 肝機能低下 など

 

〈私が自覚した副作用〉

◆服用4日目以降〜現在 食欲不振・吐き気(?)

 点滴の抗がん剤の際にも、効果も副作用も早く現れた薬の効きやすい体質にせいか、服用4日目から「食欲が湧かない(食べたくない)」、「何となく気持ちが悪い(点滴の抗がん剤の際にも、この気持ち悪さが「吐き気」と自覚できず、大変な嘔吐につながったので、きっとこの感覚が「吐き気」なのだと解釈しています)。

※点滴の抗がん剤の副作用はこちらからご確認ください

★食欲不振・吐き気の対策 早めに薬を飲む

吐き気どめで処方された薬は、2種類。私の場合、朝食時が一番食事を摂りやすく、昼食、夕食と食べたくなくなっていく傾向が顕著なため、色々、試してきた結果、朝食後にメトクロプラミド、17時にアラームをセットしてロラゼパムを服用しています。

メトクロプラミド

 消化管運動を促進させたりして、吐き気を抑えてくれる薬です。

 ※「眠気やめまいがあらわれることがあるので、自動車の運転や危険を伴う機械の操作などは行わないでください」と注意書きがあります。

ロラゼパム

 気分をリラックスさせる薬です。不安や緊張感をやわらげたり、寝つきをよくしてくれる効果があるとのことで、メトクロプラミドが消化器に直接働きかけるのに対して、気持ちに作用するタイプの薬です。

 ※「眠気、ふらつき、けん怠感、脱力感などです。これらは、それほど心配いりませんが、車の運転や危険な作業は控えたほうがよいでしょう」と記載がありますが、個人の体感としては、メトクロプラミドより眠気が出やすいので、勤務時間に影響が出ないよう17時に服用して、食欲の湧かない夕食を乗り切る作戦をとっています。

 

◆服用開始後1ヶ月〜現在 味覚嗅覚変化

個人的に、TS-1の副作用で何が一番、辛いかと言えばこの「味覚・嗅覚変化」ですね。後述する「下痢」も生活にダイレクトに影響するのですが、大好きだったものが、信じられない程、不味く感じる(食べたいとも思わなくなる)、においを感じるだけで気持ちが悪くなる。そして、症状が進むと食べられるもにがどんどん限られていく、というには食道楽の私には特に辛いですね・・・。

朝食時は、割合、食べられるのですが(食欲があるとは言い難いです。食欲は常にありません)、夕食の時間が来るのが憂鬱になり、「食べなくても良いになら食べたくない!」。徐々に昼食の時間が来るのも憂鬱になり、憂鬱から、いまでは昼食、夕食のタイミングが来ると「今日は何なら食べられるだろう?」、「食べられるかなぁ・・・」との不安から苦痛になっています。

そんな生活を送ってきた中で、定期通院での栄養士さんとの面談で、食べるものが偏り、栄養バランスを心配する妻に対して「いまは、食べられるものをみつけて、食べることで体重を維持することが、免疫力を上げていく上でも大切」、「kennyさんは、副作用がしんどくなり続けている中で、食べられるものが減り続けて苦しい中で、食べられるものを探して、本当に頑張って体重を維持されてきている」、「もう私から言うことがないくらい、頑張っています!」と私の頑張りを認めてくださったことは、まさに地獄に仏の心境で、栄養士さんが天使に見えました😁

 

★味覚・嗅覚変化への対策 栄養バランスより、食べられるものを食べる

 現在、薬の服用の6サイクル目ですが、服用後から、現在に至るまで、回を重ねる毎に味覚・嗅覚変化は激しくなり続けています。「副作用1ヶ月〜」と書きましたが、正確には、気がついたら、大好きだった「ご飯が美味しくない」→「ご飯を炊く匂いも気持ち悪い」ち変化してきて、「あれ?」と思い担当医に先生、栄養士さんに報告したら、「副作用ですね」と言われ、「そうだったのか!」と気づいたぐらいなので、気づいたのは服用後3ヶ月くらい経って、「大好きな焼肉が美味しくない、噛めば噛むほど気持ち悪い味になる」異常事態でやっと自覚した感じです。

副作用ですと言われて振り返ると、「そういうことだったのか」と腑に落ちた感じ。それまで、野菜を煮たものが変な味になり、野菜摂取量が減ってしまい、「単なる自分のわがままなのではないだろうか」と思って自己嫌悪に陥りかけてもいましたが、副作用とわかって、「栄養バランスより、食べられるものを食べていけばいいんだ」と割り切れたことで、気分的にはかなり楽になりました。

そんな中、栄養士さんの存在は本当に大きいです。「ご飯も、炊き立てより、冷やご飯の方が食べやすいという人も多いですよ」とか、「コーンフレークとかはどうですか?」など、いまの苦しい状況を受け止め、共感してくれながら、食べられるかもしれないものを提案してくれ、食べる工夫や努力を認めてくれ、喜んでくれる栄養士さんの存在がなかったらと考えるとゾッとします。

 

★食事日誌をつけて、自身の傾向を把握し、対策に生かす

 私に場合、病院のモニター活動へ協力する形で、食事日誌を書いていましたが、病院へ提出する期間を終えた後も、栄養士さんに頑張りをみてもらいたくて、食事日誌のフォーマットを自作して書き続けています。

 「抗がん剤を飲み始めて、これくらいの期間で、こんな副作用が出る、強くなる」という傾向を知り、薬で対策出来るものは対策する。味覚・嗅覚変化は薬ではどうしようもないものの、「もう少しで、やわらぐはず」と見通しを持つことが出来るには大きいです。

 

「味覚・嗅覚変化」という副作用は、私にとってかなり辛い副作用であるため、長くなりすぎてしまいましたが、まだまだ、書ききれていません💦

続きは、また、後日、書かせていただきますね😅

 

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以下の記事は、全ての内視鏡医の先生、逆流性食道炎の経験者の方にお読み頂きたいとの思いで書いたものです。是非、ご一読ください‼️

 

最後まで、お読み頂き、ありがとうございました!!