12月25日(日)【19:15】

 

JIMIN >

 

ずっと、ジウの傍にいたい。


だから、結婚したい。


すごく、正当で

シンプルな理由だと思ったけど


Lさんの言葉で、


キレイすぎる理由だって気づいた。


それに、俺がいる事で

ジウが辛い思いをするかもしれない。


俺は、守れない。

 

じゃあ、別れる・・


でも、

 

光の下に立つ事と

ジウと過ごす事

 

どちらかしか選べない、とか

 

それも違う気がした。

 

1人で考えてもわからない事は、

ジウと話そう。

 




両手を広げて

“サイン”を出して

 

ぴったりとくっついた身体。

すぐ届く距離で

彼女の言葉を聞いて

 

俺の言葉を伝えよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

って思ったのに

 

 

 

 

「ジミンさん・・」

 

おかえりのハグをしたら

 

「何?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は・・ジミンさんの

お嫁さんになるんでしょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

 

「・・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

 

「・・・・・違うなら」

!!

 

違わないっっ

 

 

見合った彼女は、

 

「い、いや、その、

違わない・・んだけど、

違うっていうか・・いや、

違うっていうのは

その、・・なんていうか」

 

 

言葉が出ない間も

ずっと・・見てくる。

 

 

「とりあえず・・

部屋・・いこ」

 

 

頷いた彼女の手を取って

リビングに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その・・」

 

どこから話せばいいのか

この2日間でグルグルした考えが

まるで、メビウスの輪みたいに

くっついて、スタート地点が

みつからなかった。

 

「え・・っと」

 

ソファに座ったジウは、

膝の上で組んだ手を

じっと見たまま口を結んでいる。

 

「“お嫁さん”・・なんだけど」

 

 

 

って、

 

自分で言った瞬間、

急に体温が上がって

心臓がスピードを上げた。

 

「その・・」

「私」

 

 

「な、何?」

 

 

「私、旅行の時から、距離感が

バグってるんです」

 

バグ・・

 

「だって、ジミンさんは、BTSなんです」

 

・・・・。

 

「付き合うってなってからも、

夢なんじゃないかって。その気持ちが、

ずっと消えませんでした。ジミンさんの

隣にいる事に、申し訳なく思う気持ちも」

 

申し訳ないって・・

 

「でも・・」

 

「・・でも?」

 

「旅行に行って、2人で過ごして、

言いたい事も言って

やりたい事もできました。

・・だから、私の中で、

ジミンさんが“普通の彼氏さん”に

なってて・・。昨日、ちょっと

怒ったのは、ジミンさんが

連絡くれなかったって・・

ただ、それだけの事だったんです」

 

「普通って」

 

「だって、BTSに戻ったら、

連絡なんて続かないのが

当たり前で、そんなんで、怒るなんて、

そんな事できないんです。なのに・・」

 

・・・・。

 

「ジミンさんが帰った後、オンニが

“JIMINに似てた”って言ったんです」

 

!?

 

「あ、バレてはないです。

私も否定しました。そしたら・・」

 

 

 

一度、口を結んだジウが

 

「“そうだよね、ありえないよね”って」

 

ため息と一緒に言葉を続けた。

 

・・・・。

 

「私とジミンさんが付き合う事は、

“ありえない”事なんです」

 

なんとなくだけど・・

 

この話、あんまりいい方向に

進んでない気がした。