【8:00】

                          

 ◇ Blue

 

次の仕事の為に家を出る。

 

扉を開けた瞬間、左側の壁から

何かが落ちたのに気づいた。

 


足元に落ちていたのは、桜色カード。

 

         

“ ありがとう。テヒョンアも

行ってらっしゃい。頑張って”

 

彼女の綺麗な字。

 

カードを手に取り胸に当てる。

 

彼女は僕を受け入れてくれている。

 

優しく包まれている気持ちになった。

 

同時に、“弟”としての場所に

立っている事を改めて感じた。

 

僕は、目を閉じ、祈りにも似た声で呟く。

             

 

 

 

「ヌナ、僕を見て」