中心を外さずに。第3回。



法律で強制したり、軍隊が銃剣でつれていくのも強制だが、現代的な感覚で見れば、経済的に困窮したり、社会的な圧力があって、一見、自らの意志で行っているようにも見えるが、実際上そのような選択をさせられているということも「強制」であろう。

英語で言えば、coercionである。

いわゆる「従軍慰安婦」の問題についての論争がねじれているのは、「強制」についての理解のすれ違いだと私は思う。

事実認定も大切だけれども、根幹は、当時の社会情勢の中で、coercionされた女性たちがいたということで、それを気の毒に思ったり、人権上問題であったと考えることは、現代に生きる人間として、当然のことで、その点に議論の余地はないように私には感じられる。


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