神とは何か。古において神の概念は人格神であり、人間のような人格を持ち、人間の行動を観察、良き行動は褒め、悪い行動は罰するという存在だった。このような人格神を信じている人は、現代においては少数派となっている。

神は宇宙をつくったが、その後は、宇宙の進行を支配する自然法則としてのみ存在するという考え方を、「理神論」と呼ぶ。アインシュタインは人格神は信じていなかったが、ある種の理神論の信仰は持っていたものと思われる。

理神論は、宇宙を支配している自然法則を統一的に理解しようとする試みにつながり、ニュートン力学などの自然科学の発展につながった。理神論がなければ、近代の科学は存在しなかったかもしれない。

神の条件が宇宙をつくることだとすると、つくった後に宇宙がどうなるかということまでは責任を持つ必要はない。全くのフィクションとして、将来人工知能がシンギュラリティを迎え、宇宙を創成する方法を見つけてつくったら、その人工知能がその宇宙にとっての「神」だということになる。

哺乳類は子どもを育てるが、生物界全体においては、親は子どもに対して責任を持たない。産んだら、後は子どもの自助努力に任せられる。その意味で、宇宙と神の関係は、哺乳類のそれよりも蝶やウミガメのそれに似ているのかもしれない。

現代物理学は、宇宙創成のぎりぎりの最初や、さらにその前まで、時空に関する物理学の法則が適用できるという前提でさまざまな理論をつくる。そのようにして外延していった先に、「神」という境界条件が現れる。 

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