けんじいはあまり映画を見ない。このブログでも映画について書いたのは多分、今回立憲民主党の幹事長になった「なぜ君は総理大臣になれないのか」の小川淳也さんのドキュメンタリー映画くらいのものだ。
そんなわけで見ればたいていの映画は感動するのだから、この記事はそのつもりで読んでもらいたい。珍しく妻の誘いの試写会でインド映画を見た。「花嫁はどこへ?」という、赤ちゃんならぬ花嫁が取り違えられたコメディと聞いていた。ところがこれがコメディなどではない。
面白おかしさの中に、赤ちゃん並みに扱われるインドの女性、結婚さえ自分ではどうにもならないインドの女性の地位、その中で科学的な農法を学ぼうとする開明的な女性の姿、その一方で逞しく生きる街の人々とその優しさが描かれる。
と言ってしまえばインド版寅さんみたいだが、寅さんは登場しない。代わりにこの映画で影の主役をしていると思ったのは、日ごろ賄賂を受け取り放題なのに最後にかっこよく、正義のお代官様になる村の警察官?警察署長?。
とにかくバタバタの中にインド社会の混沌が詰め込まれていると感じた傑作だった。行政区画がしょっちゅう変更されるらしい内政の混乱もちゃんと民の会話の中に織り込まれている点も傑作と感じた一因だ。
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