資源問題の真実 | 批判・バッシング・炎上・苦情・誤解から守り、数値をファクトチェックする「オムニメディア」

資源問題の真実

「私たちの命まで採掘しないで~鉱物資源の最上流で何が起こっているのか」というイベントに参加、というか手伝い。谷口正次さんという、元太平洋セメント㈱専務取締役でサステナビリティ日本フォーラム理事の話を聞く。とても感動した。以下がその内容。


■1.映画アバター
アバターで書かれているストーリーが地球上のあちこちで行われている現実。要するに一神教の世界は合理的世界。多神教のアミニズムの世界は日本。アバターの世界は世界中の諸国で行われている。それは現在の物質文明を支えるためにこの便利な快適な先進国を支えるためにそれが行われている。採掘している企業は胸を張っている。「おれらのおかげで便利な生活がいじできている」などという、いわば開き直り。

採掘することは破壊から始まる。森林がある場合は森林を伐採し、生物多様性を破壊し、先住民を撃ち殺す、拉致拷問暗殺など何でもアリ。そんなところが多い。

南米ブラジルの鉄鉱石の鉱山ですが、広大な範囲の熱帯雨林の破壊がある。都市社会の便利な生活を維持するために途上国の自然破壊が起こる。世界の人々はあの煙突からできている煙、エミッションのところだけ議論して、何%削減だと議論している。これはおかしい。


■2.鉱山会社
生態系の破壊など、人類の生命維持装置みたいなものを破壊している。世界はだいたい4000社ばかり鉱山を採掘している企業が世界にある。そのうちそれを実際コントロールしているのは140社。そのなかでも「スーパーメディア」という20社くらい。最近はこの中に中国が入ってきましたけれど、90%のメジャーと言う鉱山会社が支配し、残り10%をその下がやっていて、その下にいるジュニアがいる。
このジュニアが、鉱山を見つけてメジャーに売り渡して逃げる。これらの60%がカナダ。15%がオーストラリア、その他がイギリス。アングロサクソンが多い。カナダのジュニアが評判悪い。資源採掘は問題がある。国別に見ますとこういう国が世界の資源を支配している。アメリカ、カナダ、オーストラリア、そのほかメキシコの資本などありますが、おおざっぱにいって支配しているといっていいのではないか。この人たちが世界の資源の争奪戦を行っている。
欧州のエコノミストはオールドエコノミーの恐竜が生き返ってサプライチェーンの源流でたたかっている。その中に、中国が恐竜を育てて、国竜企業で資源をあさっている。恐竜と食い合いをしているという。


中国は資源大国だが、あまりにも経済成長が激しいので、到底ついてけない。今後は、途上国の資源、しかも生態系が豊かな、先住民が3億人以上住んでいるところで資源を採掘しないといけなくなる。


■3.現場
・世界1の金鉱山がグラスベルグ 。インドネシアのパプア州にある。標高4000メートルにある。先住民が「聖なる山」というところ。信仰・魂が帰るところはオーストラリアやアフリカでもどこでもいろいろある。そこを崩していく。年間1万6千万トン採掘している。採掘した時、5000万トン以上。鉱石にならないものは谷に捨てる。鉱石を砕いたかすは川に放流している。そのために、川の幅が1988年の川筋が2003年には数キロまで熱帯雨林にヘドロがあふれる。インドネシアの原住民が抵抗するとインドネシア国軍が来て制圧する。この鉱山をやっているのは、アメリカのフリポート・マクモラン という世界有数の企業。アメリカの政治家のキッシンジャーがボードメンバー。そういう人がニッケル鉱山への環境破壊と人権侵害をやっている。

・フィリピンも銅と金の問題がある。掘りやすいところはもう掘ってしまったので、これからは、先住民がすむ森林に森林に囲まれたところしかない。採掘運動をするので、反対運動をしていくと、リーダーが暗殺される。


・パプアニューギニアのブーゲンビル島。これは、太平洋戦争で激戦地になった。1日へどろを12万トン流す。オーバーフローして森の中に流れる。ワニがヘドロに埋まっている。環境破壊が激しいし、利益は配分してもらえないし、生活できない。ここは世界第二位のりオ・ティント・グループ を住民が追い出して、占拠して、1989年に占拠していまだに再開していない。ところが、ポートモレスビーのパプアニューギニアの政府は外貨が欲しいので、ボーデンビル革命軍を国軍を送って制圧して追い出そうとしたが失敗。仕方なく、ジュリアス・チャン首相が、傭兵部隊を雇って、革命軍をやっつけようとした。3600万ドルで請け負ったのです。しかし、直前に自分の国の軍隊の将軍にばれてしまってクーデターが起こって、メンツがつぶされたと首相は追い出された。


・カナダのバリックゴールドという鉱山会社。金の鉱山会社。これが金の価格が高騰しているので、鉱山を拡張しようとしてそこに住んでいる先住民が抵抗するので、警官を雇って焼き打ちをかける。世界でこういう問題があった。


・インドにオリッサ州がある。ここに、ボーキサイトが豊富にある。ベタンダ・リソーシズ という英国の鉱山会社がある。先住民が住んで森に囲まれた山、これも先住民が聖なる山といっている山を掘ろうとしている。アムネスティが反対運動に参加した。その先住民を移住させようとしているわけです。


・ペルーでのモントニコ・メタルズ がしたところを中国のしきん工業が買収した銅とモリブデンの鉱山がある。ペルーのガルシア大統領が強力な推進派。地元の人が反対票を2度もして、絶対的な反発の結論が出ているにもかかわらず、そんな住民投票は無効だといって、拉致して拷問して、これはyoutubeでずいぶん放映された。英国のモンテリコが訴えられ、こうした行為のための補償のために資産を凍結させられました 。中国企業としてはなんとしても開発したい。しかし、エクアドルとの国境のもっとも豊かな森林、熱帯林ではないのですが、開発しようとしている。河川の汚染、森林破壊を恐れてこういう人たちが必死に反対運動をしているわけです。どうやらそれもおさえこまれつつある。


■4.多国籍企業
多国籍の支援メジャーであったりするとちょっとしたワイロでもう環境アセスメントがいい加減なものですませるし、少々の人権侵害が問題にならない。このなかでの問題は贈収賄。国民は裕福になるどころか貧困を助長する。「資源はのろい」という状態。パラドクス。資源は呪いだと。いくら豊かな豊富な資源があっても、国民のために利用されない。資源収奪をされる。利益は外国企業が持っていく。忘れてはならないのは先住民の文化と伝統の破壊。これが本当に問題だと思います。生物多様性、生態系を守ろうとする場合、先住民の文化・伝統を踏まえて考えないといけない。