ハロウィン・ロケット -8- | 出会える日のために・2 けんちゃんのブログ

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モニターの映像が、あの見慣れた公園に変わった。
子供たちが元気に遊び回っているのが、手に取るように映し出されている。
画面が公園の端、雑草が生えていてあまり人の入らないところを、
まるで歩いているかのようにして、映されているのを見ていた時。

「よく見てごらん、見えたかな」

雑草の中に何かが落ちていた、よく見るとそれは。

「あっ、ぼくのハロウィン・ロケットだ。早く取りに行かないと」
「ヒカル、大丈夫だよ。ぼくがちょっと、おまじないをかけておいたからね。
あれは、絶対に誰にも取られないよ」
「そんなの分からないよ。あそこにはよく、
犬を散歩させに人が入ったりするんだから」
「ほんとにもう、どこまでも心配するんだね。
実はこれも少し前にあったことを、映しているだけなんだけどなぁ」
「じゃあ、今はどこにあるの」
「もう少し、ぼくに付き合ってくれたら、あのハロ…、なんだっけ」
「ハロウィン・ロケット」
「うん、それをここに出してあげるからね。
ぼくの言うことを聞いてくれる」

アイのまなざしは、どこまでも真剣だった。

「分かったよ」
「ありがとう。まだちょっと疑っているみたいだけど、まぁいいや。
まだ時間はあるし、もっと色んなところを案内するよ」
「時間があるって、そろそろ夕方じゃないの。
わたしはともかく、ヒカル君は家に帰してあげないとまずいんじゃないかな」
「正ちゃんも心配性だなぁ。こんなチャンスは滅多にないんだよ、
本当にまだ時間はあるんだから、もっと今の状況を楽しもうよ」

画面が変わって、真っ暗な空に荒涼とした大地が広がる、
人気のない寂しそうなところが映し出された。

「ここはどこなの」
「月だよ」
「本当に月なの」
「そうだよ」

しんと静まり返った大地には、ところどころに丘のようなところがあり、
人を寄せ付けない雰囲気を醸し出している。

「月には申し訳ないけど、やっぱり月は遠くから眺めていた方がいいな」
「地球の人は、みんなここが好きになれないみたいだね。
でも、こっちを見てごらん」

すっと画面が動いて、遠くに青く光る星が見えて来た。

「あっ、あれはもしかして」
「そうだよ、あれが君たちの住んでいる地球だよ。
月から見ると、こんな感じで見えるんだ」

真っ暗な空の中に、ポツンと残された1粒の青い水滴のように見える星。

「あの星の中で、醜い争いをしている人たちを、
みんなここに連れて来て、こうやって地球の姿を見せてあげたいよ」
「どうしてそうしないの」
「それは出来ないんだ。前にも少し話したかも知れないけど、
ぼくたちは君たちのしていることに、深く干渉出来ないんだ」
「よく分からないよ」
「君たちは、君たちのちからだけでやらなければいけない。
愛・統一・平和、この3つをしっかりと持つことが出来たら、
すぐにでもぼくたちは堂々と君たちの前に現れて、色々と手助けをするよ」
「もっと詳しく教えてくれないかな、その3つのことについて」
「いいよ。愛はこの宇宙の中で、最も大切なものなんだ。
君たちだって、家族や友だちは大切でしょう」
「うん」
「その愛を、自分の周りにいる人たちだけではなくて、
もっともっと大きく広げていくんだ。
地域の人から同じ国に住む人、さらに国は違うけど他のところに住んでいる人へ…」

 

   愛のうた

 あなたは
 知らないかも知れないけど
 ぼくは知ってるよ
 あなたのまなざし
 あなたの真っすぐな
 心の行方を

 ここへおいでよ
 胸をはって
 ここへおいでよ
 流れ星のように
 どこまでも行ける

 ぼくたちの
 大きな大きな
 愛のかたちよ

 心が
 沈みがちな夜もあったね
 あなたに会えず
 やさしい声だけ
 微笑む顔だけ
 追いかけていたよ

 いつか分かるさ
 あの頃は
 大人になれず
 少年のままに
 あなたの姿を

 ぼくだけの
 ちっぽけなちっぽけな
 愛のかけらよ

 強く強く抱きしめることも
 強く強く思い続けることも
 はるかなはるかな
 空の彼方から来る
 あなたの微笑みも
 ぼくのまなざしも
 
 あの星たちのように
 愛を抱えて
 一つの真ん丸い
 愛のかたちに

 ここへおいでよ
 胸をはって
 ここへおいでよ
 流れ星のように
 どこまでも行ける

 ぼくたちの
 大きな大きな
 愛のかたちよ


ハロウィン・ロケット -9- に続きます。
絵は友人のやのさんが、描いたものです。