天蚕からちょっと外れて、お蚕さまのお話。
遠野物語(岩手県の遠野地方の民話集)の中の、
「蚕の始まり」という民話です。
昔あるところに貧しいお百姓がいて、とっても美しい娘と馬がいました。娘は馬を愛し、やがて夫婦になりました。
ある夜、父はこのことを知って馬を桑の木に吊り下げ殺してしまいました。
娘は死んだ馬の首にすがって泣き悲しんでいました。これを見た父は、更に憎んで馬の首を斧で切り落としてしまいました。
すると、娘はその馬の首に乗って天に昇って行ってしまいました。
なげき悲しんでいる父の夢の中に娘が現れ、
「私のことはあきらめてください。その代わりに、早朝、土間の臼の中に馬の形をした虫がいるでしょう。この虫たちに桑の葉を食べさせて下さい」と言いました。
言われたとおりにすると、繭ができ、絹糸をとりました。
これが「蚕の始まり」というのです。
『蚕は天の虫』と書きます。
そして、何故か蚕は1頭、2頭と数えます。
「天蚕」とは、
天から贈られた『天の虫』???!!!
なのかな。
Iさんの写真に出逢ってから、信州の雪山、安曇野を巡る3年間の旅が終わりました。
悲しいことに、Iさんは今年他界されてしまいました。
天蚕の写真談義でもしたかったのに!
残念です!
ご家族の方にお願いして、天蚕写真を載せたカレンダーをIさんのご仏前に供えて頂きました。
因みに、信州の地元の方に教えて頂きました。
「天蚕の脱け殻繭は晩秋の雑木林で結構見つかりますよ!」と。
来年は晩秋の信州で天蚕探しでも行こうかな!?
ー最後まで読んで頂きありがとうございましたー