シベリウス全交響曲演奏会 ~その2~ | けんぶるのブログ

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初日の翌日がシベリウス全交響曲演奏会の2回目だった。
仕事場から会場の新宿の東京オペラシティ・コンサートホールへ。開演まで30分ほどあったので、地下の食堂街へ。「日高屋」があったので入り、景気づけにレモン・ハイ&ハイボール&餃子。(シベリウスを聴く前ならズブロッカだとは思うけど・・・)

初日と同じ下手・最前列の席へ。右隣りは、昨日の老夫婦と違って若い女性だったが、左隣りは、昨日と同じ中年男性。私と同じ全3回分のチケットを買った客なのだろう。演奏中、時に身を乗り出して聴いたり、時に天井を向いて居眠りをしたりと、目立つ最前列の客としてはいささか行儀が悪い。音楽雑誌か新聞社のライターか、フィンランド協会のお偉方か・・・・。

2日目の曲目は、交響曲第3番、4番と、バイオリン協奏曲。
初日にも思ったのだが、シベリウスの曲には、ピチカート奏法が頻繁に現れる。バイオリンやチェロなどの弦楽器を弓ではなく指ではじく奏法だ。(ギターで言えば、アルペジオ奏法がこれに近い)しかも、バイオリンよりチェロによるピチカートが多い。シベリウスの作曲技法のクセのようなものなのだろうか。
それと、もう1つ感じたのは、シベリウスというと、チェコのドボルザークや、ロシアのムソルグスキー、リムスキー・コルサコフなどと並んで、「国民音楽 楽派」というイメージが強いが、交響曲3、4番を聴いていると、フィンランド固有のメロディーというより、ストラビンスキーやシェーンベルクなどの無調音楽を想起させる。シベリウスは昔の作曲家と思うけど、円熟期の曲は皆20世紀に入って作られているのだ。クラシックというより現代音楽に近いかもしれない。

2日目のハイライトは、バイオリン協奏曲だった。弱冠27歳のフィンランド青年ペッテリ・イーヴォネンの熱演が観客のブラヴォーを誘った。拍手が鳴りやまず、珍しくソリストのアンコールが披露されたのだが、これがまたド迫力の演奏だった。曲目はイザイ作曲「無伴奏バイオリン・ソナタ第3番 バラード」。フィンランドが世界に誇る演奏家として育って行ってほしいと思った。

最後に一句。   「  ピチカート  ブラヴォー冬の   シベリウス  」