「気」と「心」の巻
目に見えない経絡やツボは物質的には存在しないと思う。
物質とは別の…つまり目に見えない世界に存在するものだと思う。
だから、物質的な指でいくら探ってもわかるわけがないと思う。
目に見えないものに触れるには指を通じて「心」で探るしかない。
「病は気から」という本当の意味は、目に見えない「気」や「心」がまず病むことから始まり、物質的な肉体に波及するという意味。
「心」が病むというとうつ病などの精神疾患だけのように思えるが、すべての疾患に関係する。
鍼灸治療は、不足している「気」や「心」を補うことが重要。
または停滞している「気」や「心」をスムーズに流すことが重要。
脈診も脈の拍動そのものを診るのではない。
脈を通じて弱っている「気」や「心」の状態を診ないといけない。
鍼を通じて相手の「気」や「心」と繋がり調和し、治療家の持っている「気」や「心」で患者を治す。
鍼灸とは「気」の医学でもあり、「心」の医学でもある。
西洋医学は物質である肉体そのものの病態を診る。
東洋医学は目に見えない「気」や「心」の病態を診る。
同じ医学でもここが両者の違いである。
確実に存在するものの巻
鍼灸医学で言う身体に700個以上ある「ツボ」
ツボとツボを繋ぐ「経絡」
また経絡の中を流れる「気」
これらは目に見えない。
でも確実に存在するもの。
「目に見えないものなんて存在するわけない」と一般的には思われている。
しかし、この宇宙を例に例えるなら、
最新の量子力学や宇宙物理学では、
この宇宙は目に見える物質を全部集めても4%しかならないことが分かっている。
あとの96%は全く解明されていないという。
つまり、これだけ科学が発達しているのに、
たかだか4%しか解っていないのだ。
残りの96%のうち23%は目に見えないダーク物質(暗黒物質)であり、
73%は同じく目に見えないダークエネルギー(暗黒エネルギー)と推測されている。
しかし、見つかってはいない。
見つかっていないが絶対あるらしい。
無ければ宇宙に矛盾が生じるからだ。
宇宙の中に存在する我々人間。
人間の身体もわからないことがあっても何ら不思議ではない。
「ツボ」や「経絡」そして「気」も目に見えないがその存在を感じ取れるならあるはずだ。
むしろ、「すべてわかった」という傲慢さがいけない。
「何も分かっていないんだ」という謙虚さが必要なんだと思う。
治る患者さんと治らない患者さんの違いの巻
最近治療してて思うこと…
治る患者さんと治らない患者さんの違い。
病態や重症度でも治る治らないはあるが、
そういうのではなくて、、
患者さんの治療に向かう姿勢によっても治る治らないもあるということ。
全ての患者さんに共通することは「願望は強い」ということ。
・治りたい願望が強い
・改善したいという願望が大きい
・健康な生活を送りたいという願望が強いetc
治る患者さんは「意志も強い」
・「治そう」という意志が強い
・「必ず治すんだ」という気持ちが強い
・「治療を頑張る」という意志が大きいetc
⇓
行動は…
・きちんと真面目に治療を受ける
・治療計画通りに通院する
・治療を優先しめったに変更はしない
・治療院を信頼して変えないetc
⇓
病気や症状は確実に改善傾向へ
一方…
治らない患者さんは「意志が弱い」
・「治そう」という意志が弱い
・「必ず治すんだ」という気持ちが弱い
・「治療を頑張る」という意志が小さいetc
⇓
行動は…
・きちんと治療を受けない
・来たり来なかったりいい加減
・他の用事を優先して予約日を頻繁に変える
・治療院をやたらと変えるetc
⇓
病気や症状は停滞か悪化傾向へ
これは治療院側の都合のいい理論じゃなくて本当のこと。
願望は強いが意志は弱い。
これは治らない。
治るも治らないも患者さんの姿勢によるものも大きいと思う。