GUILTY 59 独竜会の罪 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

※本日2話目の更新ですニコ





2係の捜査員たちの顔は強張り、部屋は凍りついた。さんざん探して、やっと探し当てた成果物である。が、やったぞ!という喜びの声は誰からも上がらなかった。



…停止しろ」



長野が低く呟いた。



「はい。次も見ますか?」



ああ」




長野は少し見ると、また停止させ、「次」と言った。長野の「次」という合図とともに、DVDが入れ替わり、次々と惨たらしい映像が流れた。


しまいに長野は、



「もういい



と言って上を向き、目を閉じた。ひとつ、息を吐くと、ゆっくりと目を開けた。




その目は憤怒と侮蔑に満ちていた。




「反吐が出る…!」




長野は誰にともなくそう吐き捨てると、バン!と勢いよくドアを開け、ジャケットを翻して部屋を出て行った。





カッカッカッ



廊下を大股で歩きながら、携帯を取り出し、井ノ原に電話をかけた。




「もしもし」



「ああ、長野くん?」



「続報だ。今から令状取りに行く」



「三宅の?」



「それはそっちの仕事だろ」



「だよね。じゃ、独竜会?」



「ああ」



「罪状は?」



「児童ポルノ禁止法違反。いやむしろ、強制性交等罪」



電話の向こうで井ノ原が息を呑むのがわかった。



「大阪にある独竜会の関西支部にもガサ入れする。そっちで会うかもしれないな」






***



「長野さん、なんて?」


岡田は電話を切った井ノ原に小声で聞いた。


井ノ原の表情は暗い。


携帯をしまうと、ふうとひとつ息を吐いた。



「独竜会の押収品から、児童ポルノが大量に見つかったらしい」



「児童ポルノ?」



「ああ。それも、どうやら援助交際の女子高生とかいうレベルじゃないらしい」



というと?」



「もっと低年齢の強制性交等罪とか



「え?」



背筋がゾッとした。岡田にも井ノ原にも、幼い子どもがいる。



「じゃあ、あの顧客リストっていうのは



「児童ポルノを買ったか、あるいは児童買春の客…」



岡田は吐き気を催し、生唾を飲みこんだ。



ふと時計を見ると、ここに来てから30分以上経っていた。



「遅いですね。三宅」



「ああ。そうだな」



井ノ原も店の中を見回した。カウンターの中にいる坂本と目が合った。井ノ原は嫌な予感がした。



逃した



坂本が隙を見て、警察が来ていると三宅に連絡したのかもしれない。いや、彼に不審な動きがあれば気づいたはずだ。



井ノ原はガタッと席を立ってカウンターに向かった。岡田も後に続いた。