個人レッスン 10 して欲しいこと | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

「何か飲む?」


「あ…はい」


先生がポカリを持って来てくれた。私は肘をついて少し起き上がり、自分で飲んだ。


「どう?まだクラクラする?」


「マシになって来ました」


「よかった。吐き気は?」


「ありません」


「他になんか症状ある?」


「うーん…多分、大丈夫です」


「よかった。もっと飲む?」



「はい」


先生はポカリを手渡し、ソファの横にしゃがんで、私が飲むのを見てる。


「ありがとうございます」


ポカリを先生に渡す。


「他には?」


「え?」


「して欲しいこと、ある?」


し、して欲しいこと?

先生にして欲しいことなんて…。そんなの…いっぱいあります。


いきなり、「キスして下さい」とか言ったらびっくりするだろうな。

間違いなく、準備室追い出される。


そんなこと思ったら、ちょっと笑えた。だいぶ気分が良くなって来た。


「なに?」


私につられて先生が笑顔になる。


「して欲しいことは…あるけど…」


「ん?」


「頼めません」


「遠慮しないでいいよ」


「言ったら、してくれますか?」


「俺にできることなら」


優しいんだよなぁ…。

そして、鈍いんだよなぁ…。

そういうところが大好きなんだけど、ちょっと自覚して欲しい気もする。


「やろうと思えばできるけど、先生は多分あまりしたくないこと…とかは?」


「え?…俺がしたくないこと?」



唇を尖らせ、黒目を上に向ける。



「たとえば?」


なぞなぞのヒントを欲しがる子供みたいな顔をして私を見る。


ふふ…。何の疑いもないリアクションが可愛い。