剛健版 星の王子さま 10 花との別れ | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

「それで…どうしたの?その花…」



「置いて来ちゃったんだ」



「王子さまの星に?」



「花のことばかり考えて、花に翻弄されて、疲れちゃったんだよな…。最後に星を綺麗に掃除して、小さなバオバブの木を残らず抜いて…もう二度と星には戻らないって決めて、花にサヨナラしたんだ」



「花は、なんて?」



「『サヨナラ。早くお行きなさい。私もバカだったけど、王子さまもバカだったのよ』って」


「泣いてた?」



「ううん。泣いてなんかいなかった。僕は泣きたかったけど」



「…花も泣きたかっただろうな」


「…うん。そうかもしれない。僕に泣いてるところを見られたくなくて、早く行けって言ったのかも…」



「…帰れば?ほんとは好きなんだろ?花のこと」



「大好きだよ」



王子さまの穏やかな笑み。こんな優しい顔を花は知っていたのだろうか。俺から言わせれば、どっちもどっち。王子さまだって天邪鬼だ。



「帰って、言ってやんなきゃ。花に。ちゃんと」



「…うん」



それから、王子さまは地球に来るまでに行ったいろんな星の話をしてくれた。