ある男の憂鬱~しょのに | kemu ん(・_・;)!? PASSの♪問わず語り

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ようこそお越し頂きました!!

お飲み物は自由に用意してね(^O^)/

50年も生きてると
様々な出来事があるものです
ここで出会ったのも何かの縁
よろしかったらおつきあいください

結構あばうと な日記です( ̄∇ ̄:)

 

だいぶ白髪が目立つようになってきたかな?

鏡に映し出された顔は 疲れきった姿

《タイム・スリップって事か・・・
う~ん、戦国時代じゃなかっただけ よかったのか》

大河ドラマもそれなりに観ているし
まったく歴史に疎いわけじゃないけれど
どう頑張ってもあの時代で暮らしていく自信はない

ましてや今いる場所はこの部屋を見る限り
かつて暮らしていた世界
さほど苦労することもないだろう

現時点で自分以外の存在を確認していないから
もしかしたら 
俺の知っている過去に限りなく似ている
別の世界に迷い込んでいるのかもしれない

《ひとまず様子を知るために外に出かけてみようか》

考えてみれば今着ているのはユニクロのルームウェア
フリース素材がヒットするのは まだ先のこと
何が起こるかわからない状況で
この時代に存在しない格好はヤバイだろう

遠出も視野にいれて普段着に着替えることにした

満腹だと ちぃ~っときついかもしれないが
さほど違和感もなくジーンズがはけた

身支度を済ませ テーブルに向かう
「か・さ・た・て」
一人暮らしを始めた時からの習慣
カギ・サイフ・タバコ・テレフォン
最低限これだけあれば出かけるのに支障がない
カギ・サイフ・タバコは いつの時代も変わらぬが
最後の 「て」は
手帳(ノート)→定期(Suica)→テレフォン(携帯)と
時代と共に変わってきている

《ハイライトは、置いて行こう》
すぐそばの煙草屋を思い出した

表に出てみると 懐かしい風景
さほど遠くない場所に移ったのに
引越してからこの界隈を訪れたことはなかったのだ

さてと。

腕時計をしていない事に気がついたが
別段、時間に追われている訳でもない
そのまま出歩くことにした

まだ時間が早いのか?日曜日だからか?
煙草屋は閉まっていた
仕方なく自販機で軽そうなタバコを買うことにした

まだ誰一人として見知った顔に出会っていない
手っ取り早い方法として 馴染みのコンビニへ
店に入ると店長の姿があった
不思議そうな表情で俺の顔をチラ見していたが
日曜日の俺の定番メニューをレジに置くと
『もしかして、煙山さんのお父さんですか?』
そうきたかぁ~と内心で思いつつ
『やっぱし似てますかねぇ~』笑顔で答えてやった
『いや~あんまりにそっくりなもので驚きました。
一夜にして老け込んでしまったのかと思いましたよ(笑)』

《それって、ある意味間違ってないんじゃないか》
あまり長話をするとバレそうなので
早々に店を後にした

《どうやら別の世界じゃなさそうだ》
ちょっと安心したところで
朝飯を買ったことだし一度戻ることにした


朝飯を食べながら
テレビをつけてみようかと考えたが
各局特別報道一色なのを思い出した

《そういえばみんなレンタルビデオ店に殺到したんだよなぁ~》
この日どう過ごしていたのか 全然記憶がない

ところで、20才の俺は いったいどこにいるんだろう?


つづく