マウナケアのTMT 日本側の事情を考察してみた | 「ハレ ロミロミ オ ケカイマリノ」オーナーブログ  Nohona Hawai'i ーハワイ島暮らしー

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ハワイ島で「ハワイアンから見たハワイ」をシェアするプログラムThe Roots Of Aloha やロミロミのスクール&クリニック「ハレ ロミロミ オ ケカイマリノ」のオーナーをしています。そんな私のハワイでの生活、Nohona Hawai'i。

先日、とりあえずのことだけ書いたマウナケアのTMT建設のお話。

 

ハワイの多くの人々は今、マウナケアを守るために(彼らが行なっているのはプロテストではなくプロテクト=守ること)山の裾野にあつまり泊まり込んでの活動を続けています。

 

 

何か私にできることはないか、と思ったとき、やはりこのことを日本のみんなに知ってもらうことだと思いました。

そのためにはちゃんと座って、ゆっくり言葉を選びながら、時間に追われることなく書きたいと思っていたら、今日になってしまいました。

 

 

 

まずはTMTのことを知らない方のために、概要を。

 

マウナケアはハワイ島にある富士山より高い山。

山頂にはすでにたくさんの天文台がありますが、そこにさらに30メートルのレンズを持つ巨大な天文台TMTを建てる計画があります。

サーティーメートルテレスコープの頭文字をとってTMT。

一時は反対運動が実って中断された工事が、また再開されようとしています。

これは国際的なプロジェクトで日本もその参加国のひとつ。

というかメインの国。

 

 

 

 

こちら、まさにその事業を行なっている国立天文台TMT推進室のパンフ

まずは一読いただくとどんな計画かがいろいろわかると思います。

https://tmt.nao.ac.jp/document/brochure/TMTbrochure2019.pdf

 

 

 

 

天文学にとってはマウナケアは宇宙を観察する条件が整っている類い稀な場所。

晴天率(マウナケア山頂はたいてい雲の上)や、空気のきれいさ(雲が下界とのふたの役割をしてくれる。湿度も低い。)、暗さ(太平洋の真ん中にある上、ハワイ島はまだまだ田舎、そしてヒロの街灯はそのために黄色くなってる)、すべて合格。

そのうえでハワイ島はアクセスが良い。

他国からも飛行機たくさん飛んでるというのもあるし、ヒロやコナなど大きな街からも1、2時間。

アメリカだからなんでもあるし。

 

ちなみにTMTを建てるプランBの候補地というのもあって、それはカナリア諸島。

場所はモロッコの沖。

日本やアメリカから行くの、ハワイと違ってとっても大変そうよね。研究員が家族で移住とかになるとなおさら。

でも今回どんな島か調べてみたら、いつかぜひ旅してみたいと思わせる、とってもきれいな島。

ここの住民にとってはTMT建設問題ないのかしらん。。。?

 

 

と話がそれましたが戻します。

 

 

 

国立天文台TMT推進室、あたりまえ、なんだけど、そこには人がいてそれぞれの人生や思いがあるはず。

 

メンバー、ちゃんとホームページに出ています。

https://tmt.nao.ac.jp/office/member.html

 

教授、准教授、助教、研究員と何人かの専門員(渉外とか翻訳とか広報とか)。

 

 

専門員を除いては、きっとみなさん天文学者なんだと思う。

天文学者として、まだ解明されていない宇宙の謎を知りたい、というロマンはとてもよくわかる。

きっと、おおくの人は子供だったとき、星空を見上げ、宇宙のはてはどこなんだろう?宇宙はいつからあるんだろう?って吸い込まれそうになったり、あの星には宇宙人がいるのかなって思って眠れなくなったりした経験があるはず。

その気持ちがふつうの子供よりずっとずっとずーっと強くて、しかも中学生になっても高校生になっても失わず、勉強して難関大学に入って、そこでのエリートコースともいえる国立天文台に就職。きっとそんな方たち。

もしくは機会の仕組みとかが楽しくて楽しくて、工学博士とかになった人もこのメンバーには入っているのかな?

 

 

 

「文部科学省の学術研究の大型プロジェクト」としておこなわれているこの事業、大きな国家予算がつき、TMT推進室のメンバーに選ばれ、きっとはりきっていたことでしょう。

最前線の研究、最先端の技術、どこよりも早い発見、このTMTには大人になった科学者たちには魅力的なキーワードがたくさんちりばめられています。

自分が関われることになったこのプロジェクトで、同じ宇宙のはじまりがいよいよ解明されるかもしれないと、小さいころに感じたワクワクがゾクゾクに変わる。

世界にとって人類の未来にとってためになることをしているんだ!と。

 

 

そんなときに、水をさすように聞こえてきたハワイでの反対運動。(ハワイでは保護運動と呼んでます。)

反対理由は「私たちの神聖な山を守りたい」

 

うん、そこはちゃんと留意してるよ、とばかりパンフレットにはこんなページ。

 

 

 

「神聖な場所」「自然の中に息づくハワイ文化を象徴する場所」であることも私たちはわかっているし、とワーケアの話にも触れながらも「ハワイの文化や信仰などの精神的な営みを損なうことなく、TMT計画を進めていきたいと考えています」と結ばれています。

 

 

つまり彼らはハワイの文化、信仰、精神的な営みを損なうことなく、TMTを作れる!と思っていて(というかそういうことにしておいて)、

ハワイアンはTMTをつくることそのものが、ハワイの文化、信仰、精神的な営みに合わない、と言っているのです。

 

 

でも。

いわば自分たちの世界しか知らない「学者」でかつ「公務員」である彼らのうちの何人が今日までに本気でハワイサイドの主張に耳を傾けただろうか?

フェイスブックで流れてくるマウナケアからの動画を再生してみただろうか??

ハワイアンがいう「神聖な山」の意味を、彼らの目線で理解しようとしてみただろうか???

 

日本の官庁に雇われている公務員という身分でもある彼ら、基本、上から言われたことをやっていればいい人たち。

もしかしたら、自分が関わっているプロジェクトだからということで反対派の主張に多少の興味を持ってくれた人も、すばるの関係者としてヒロに住みマウナケアで仕事をした経験から「親ハワイ派」な人もいるかもしれない。

でも国としておこなっているプロジェクトのメンバーとして、声をあげられる人はいるだろうか?

他国の島の人々のために、自分の立場を脅かしてまで。

 

 

 

私もハワイのためにマウナケアのために何かしたいと思ってる日本人の一人なのですが、日本人だからこそできること、やるべきことを考えたとき、このTMT推進室にいる「人」たちに訴えかけることが、私たちにできることなのではないかと思いました。

つまり「日本のTMT推進室をうごかすこと」なのではと思います。

 

すでに予算がついて動き出した国際的な案件を、いってしまえば人情で動かすのはたやすいことではないと思います。

でももしかしたらもしかしたらそんなミラクルだってあり得るかも???と思わせてくれたのは、まぎれもない今現在、マウナケアのために声をあげつづけ行動でしめしているハワイの人々の姿です。

そのためには、大きなパワー、多くの人々の声が必要なんだと思います。

 

実は私個人はデモやこういった主義主張を訴える活動に旗をもって実際に参加することが得意ではありません。

ただ、ロミロミやThe Roots Of Alohaなどの活動を通して繋がりのあるハワイ好きの日本人がたくさんいます。

そういう人に向けて発信すること、が私ができることなんじゃないかとの思いで、今回長々と書かせてもらいました。

 

 

 

次回はもっとも大切だと思う、ハワイアン側の視点を考えてみたいと思います。

一番の反対理由の「マウナケアは聖地」

でも「聖地」の感覚が、今の日本人がいう聖地とはちょっと温度差があるのを感じています。

「富士山に天文台をつくる」という例えもとりあえずのたとえとしては良いけど、ちょっと違うかな、と。

それと、今日までのハワイアンたちが目の当たりにしてきたことについても。

その辺を理解すると、コピペのような主張でなく、気持ちの入った言葉が自然と出て来ると思います。

そういう言葉は人を動かすパワーがある、とくに宇宙にロマンを感じた大人になった少年たちの心には届くのではないかな、と。