アラカンには体験が全てという話をしたが、体験価値を大きくするものとして、創造価値を考える。

この言葉はフランクルの3つの価値で説明されている。

体験することによって人間は多くの気づきを得る。反省したり、新しい何かをみつけたり。何かを創造するということは、ゼロから何かを生み出すことではないと思う。


何らかのの入力があり、それにインスピレーションを感じて、何かを思いつくのである。


それは生物の営みそのものとも言える。生物は変化に対応し、自己の組織を維持するために、自由エネルギー原理という大原則に従って行動する。それは生物の最も大きな特徴のひとつである。そこでは、体験というインプットに対して、自由エネルギーを最小化するように、誰に頼ることもなく、自分の中を自己組織化して、自らのメカニズムを変化させる。地球上の生物がこれだけ多様性を保ち進化したのもこのためである。それが生物の発生に関わっている事は、徐々に分かり始めている。


人間においては発達した大脳皮質を用いて、頭の中で仮想的な自我を用いて自己組織化が可能となった。それが体験を元にした今までの生物になかった様々な創造性を生み、道具の発明、言葉や文字の発明、文明社会の創造に繋がった。


だから人間は、体験と創造性の掛け算をすることで、生きる意味や死ぬ意味を持ち続けることが出来る。


前回書いた体験の力を倍増させるアイテムが創造力だと思う。それは死への体験をも体験価値にする力を秘めていると思う。