【觀四諦品第二十四】 

「聖なる真理(四聖諦)の考察」と名付けられる第二十四章」

 

24-19 未曾有一法 不從因緣生 是故一切法 無不是空者

未だかつて、ひとつのモノでさえも、因縁から生まれていないものはない。これ故、一切の法(モノ)は、空でないものはない。

24-20 若一切不空 則無有生滅 如是則無有 四聖諦之法

もし、一切が空でないとしたならば、すなわち、生滅は存在しないことになるだろう。そしてそう考えると、四諦(苦集滅道)は存在しないことになってしまう。

 

なにかが自性すると考える限り、「滅」は失われる。なにかが無いと考える限り「生」は失われる。無自性で「あるでもなくないでもない」からこそ、生滅が存在する。生滅がなければ、苦もない。苦がなければ、苦を解決する道もいらない。苦集滅道が存在するのは、世の中が全てあるわけでもなくないわけでもないからである。世の中が全て「空」であるからある。