支持率が最低だった歴代のアメリカ合衆国大統領©Getty Images
歴代アメリカ合衆国大統領それぞれの性質、能力、功績、そして何よりも失敗についてはいつの時代も論争の的となる。こうした問題に関する世間の意見は世論調査として反映される。中でも歴史を持つ企業であるギャラップは1930年代半ばからアメリカ人を対象に、大統領として優れた業績を残していると思うかについて調査して来た。調査結果に驚く人もいるかも知れない!
では近代史上で最も支持率の低かったアメリカ大統領は誰なのだろうか?
15. ジョン・F・ケネディ (1917年-1963年)
在任期間:1961年1月20日から1963年11月22日
大統領在任2年目は順調な滑り出しを見せ、その後もケネディ大統領の支持率は安定していた。
最低支持率:56% (1963年)
最高支持率:82% (1961年)
しかし公民権運動に連邦政府が介入したことにより地域間での対立が生まれた。これがJFKの不支持率を高める要因となったのである。
14. ドワイト・アイゼンハワー (1890年-1969年)
在任期間:1953年1月20日から1961年1月20日
第34代大統領の支持率は在任中ずっと良好であった。
最低支持率:48% (1958年)
最高支持率:79% (1956年)
ところがスプートニク1号の打ち上げや景気の悪化が支持率の低下へとつながり、1958年の選挙では敗北となった。
13. フランクリン・D・ルーズベルト (1882年-1945年)
在任期間:1933年3月4日から1945年4月12日
FDRこそが世論調査によって支持率を調べられた最初の大統領であった。
最低支持率:48% (1939年)
最高支持率:83% (1942年)
支持率を左右したのは経済政策ではなく外交政策であり、1939年の最低支持率につながった。しかしながら第二次世界大戦中においては、FDRが戦争に対する国家としての備えを打ち出したことによりアメリカ国民の支持を得た。
12. バラク・オバマ
在任期間:2009年1月20日から2017年1月20日
2008年と2012年の選挙では圧倒的な勝利を収めたオバマだが、世論調査を見る限りは必ずしも最も人気を集めた大統領というわけではなさそうだ。
最低支持率:38% (2014年)
最高支持率:69% (2009年)
なんと最低では38%にまで落ち込んでいる。これは不法移民に対する法律の緩和を発表した時のことである。
11. ジョー・バイデン
在任期間:2021年1月20日から
バイデン大統領の支持率は2023年に過去最低を記録した。物価の高騰、アメリカとメキシコ間の国境の治安、イスラエルとハマス間の紛争などに対する不安が影響している。
最低支持率:37% (2023年)
最高支持率:57% (2021年)
バイデンの81歳という年齢も多数のアメリカ人有権者にとっては懸念材料となっている。
10. ビル・クリントン
在任期間:1993年1月20日から2001年1月20日
クリントンが大統領選挙運動中だった1992年にジェニファー・フラワーズはクリントンと12年間にわたり不倫関係にあったと自ら告白した。これによってクリントンの支持率は大幅に低下してしまった。
最低支持率:37% (1993年)
最高支持率:73% (1998年)
支持率は著しく下がったもののクリントンは選挙に勝った。
9. ジェラルド・フォード (1913年-2006年)
在任期間:1974年8月9日から1977年1月20日
ウォーターゲート事件やリチャード・ニクソン大統領の辞任という苦難を乗り越え、フォードは高支持率でアメリカ国民に迎えられた。
最低支持率:37% (1975年)
最高支持率:71% (1974年)
ところが就任直後にニクソンに恩赦を与えたことにより支持率が下落し、その後も結局持ち直すことはできなかった。
8. ロナルド・レーガン (1911年-2004年)
在任期間:1981年1月20日から1989年1月20日
1982年にアメリカ合衆国の景気が悪化し、失業率が高まると同時にレーガンの支持率も急降下した。
最低支持率:35% (1983年)
最高支持率:68% (1986年)
ただしレーガンが大統領として2期目を迎える頃には支持率は回復していた。
7. リンドン・B・ジョンソン (1908年-1973年)
在任期間:1963年11月22日から1969年1月20日
ジョンソンが大統領に就任した当初は幅広い層から支持を得ていたが、ベトナム戦争が長引き国内での不満が高まるにつれて国民からの支持は失われていった。
最低支持率:35% (1968年)
最高支持率:79% (1964年)
ジョンソンは1968年の再選を断念したものの、理由としては悲惨な戦争と民主党内部での対立が大きかった。
6. ドナルド・トランプ
在任期間:2017年1月20日から2021年1月20日
トランプがホワイトハウスを去る2021年時点で、彼の大統領としての功績を肯定的に評価していたアメリカ人はわずか34%だった。
最低支持率:34% (2021年)
最高支持率:49% (2020年)
それにも関わらずトランプは退任後も共和党内で大きな力を持ち続けており、2024年の大統領選では共和党の有力候補者とされている。
5. ジョージ・H・W・ブッシュ (1924年-2018年)
在任期間:1989年1月20日から1993年1月20日まで
1991年3月に湾岸戦争が終結したと同時にブッシュの支持率は急上昇した。
最低支持率:29% (1992年)
最高支持率:89% (1991年)
しかし増税や国防に関する予算の削減などの様々な理由から、1992年までには共和党議員の多くがブッシュを支持しなくなっていた。
4. ジミー・カーター
在任期間:1977年1月20日から1981年1月20日
カーターの大統領としての最後の年は、当時のニュースを賑わせたイランアメリカ大使館人質事件によって痛手を負ってしまった。
最低支持率:28% (1979年)
最高支持率:75% (1977年)
イランがアメリカ人を人質として拘束した影響はアメリカのインフレ継続と共に、1980年のカーターの敗北および不評へとつながった。
3. ジョージ・W・ブッシュ
在任期間:2001年1月20日から2009年1月20日
9月11日の同時多発テロ事件後の国家の危機下における世論調査ではブッシュの支持率は高かった。
最低支持率:25% (2008年)
最高支持率:90% (2001年)
だがアメリカ合衆国が率いたイラク占領に対する不信感の高まりと、2001年の景気低迷からの回復の遅れにより、ブッシュへの支持率の落ち込みは歴史的なものとなった。
2. リチャード・ニクソン (1913年-1994年)
在任期間:1969年1月20日から1974年8月9日
大統領就任当初は高い支持率を誇っていたニクソンだったがウォーターゲート事件により事態は一転した。
最低支持率:24% (1974年)
最高支持率:67% (1969年)
その後もニクソンの支持率は回復することはなく、大統領としては惨めな支持率のまま退任した。
1. ハリー・S・トルーマン (1884年-1972年)
在任期間:1945年4月12日から1953年1月20日
第33代大統領の支持率は2期目に入り急落した。
最低支持率:22% (1951年)
最高支持率:87% (1945年)
主な原因としては景気の低迷、朝鮮戦争への長期にわたる軍事関与、労働争議、連邦政府の汚職などが挙げられる。