トゥールーズ・ロングステイ2023(8日目・その3) | 草木染の毛糸屋さん

トゥールーズ・ロングステイ2023(8日目・その3)

2023年9月12日(火)

サン・ピエール・ド・キュイジーヌ教会(Église Saint Pierre de Cuisine)

ブリエンヌ運河沿いの緑道を上がって、サン・ピエール広場の方に少し戻ると古い石造りの教会が見えてくる。それがサン・ピエール・ド・キュイジーヌ教会だ。

近づくと、古さが際立つ。

正面に回る。残念ながら入口は封鎖されていた。

正面のニッチに子ども(天使?)の像が置かれている。左手が入口らしい。

この教会は南仏最古の教会だそうで、地下には4世紀のガロ・ロマン(ローマに征服されたのちのガリア)時代の共同墓地が眠っている。1977年に歴史的建造物に指定され、サン・レイモン博物館が管理しているが、Auditorium(音楽や演劇用の小ホール、400席)として使われている。ホールが使用されるとき以外は閉まっているのかもしれない。

共同墓地の上に教会が建てられたのは5世紀、その後10世紀にモアサックのベネディクト修道会の所有になった。cuisineというから台所の神様かと思ったら、そうではなくて、Coquinisという語源をフランス語風にしたものだという。Coquinisは小さな職人という意味だそうだが、この地域の漁師たちがサン・ピエール(聖ペテロ)を篤く信仰し修道院を奉納したという話がある。わたしのイメージでは漁師は職人の範疇に入っていないのだけど。

ともかく、この古い教会をのぞいてみたいという野望は達成できなかった。(が、後日その願いは叶えられることになる。)