(大和国山邊郡 出雲建雄神社)



■表記
紀では宮簀媛、記では美夜受比賣、古語拾遺では宮箐媛、他に宮酢媛命など


■概要
尾張氏の祖。日本武尊の妃の一神であり、熱田神宮を創建した神でも。
日本武尊が東国平定に向かう際に、侍従の建稻種命(宮簀媛の兄)の故郷である「氷上邑」の宮簀媛が住む館に立ち寄ります。ここで宮簀媛と出会い結ばれます。尊は平定後に再び当地を訪れ妃となりました。
尊は続いて伊吹山へ賊退治に向かいますが、この時に神剣「草薙剣」を当地に留めたまま現地へ。ここで病にかかり、能褒野で亡くなってしまいました。倭姫命から授かった「草薙剣」は武器という側面もあったのでしょうが、天照大神(あるいはスサノオ神)の御魂が宿る霊剣ということかと思います。媛は嘆き悲しみ、尊そのものとして熱田神宮を創建し剣を鎮めました。
天武天皇の御宇、石上神宮の神主がある夜、布留川の上流で神剣が光り輝いているという夢を見ます。明朝その地に行ってみると八つの霊石があり、神が『吾は尾張氏の女が祭る神である。今この地に天降って皇孫を保んじ庶民を守ろう』と託宣されたので神宮の前の岡の上に社殿を建ててお祀りした」(石上神宮公式HPより)とあります。この「尾張氏の女」は宮簀媛のこと、建てられた社殿は出雲建雄神社とされます。


■系譜
父は乎止與命(彦火明命十世孫、または十一世孫)、尾張に居を移し尾張国造となる。
母は眞敷刀婢命、土着の首長であったと考えられる尾張印岐の娘。
兄は建稻種命、上記の通り日本武尊の侍従として活躍。
子女の記述は見当たりません。ところが尾張氏の祖神であることから、いると考えるのが普通でしょうか。


■祀られる社(参拝済み社)
氷上姉子神社(記事未作成)

※主な相殿・配祀・合祀等(参拝済み社のみ)
熱田神宮(相殿)
八劔宮(熱田神宮 別宮)

※関連社(参拝済み社のみ)