皆さん、こんにちは。
佐伯恵太です。
佐伯恵太の研究と社会をつなぐブログ
前回、記念すべき第一回は、研究×新型コロナウイルスというテーマでお届けしました。
第二回のテーマはこちら🔻🔻
『研究×カブトムシ』
[読了目安:約15分]
夏と言えば、カブトムシですよね。
子供のころに昆虫採集に行ったという方も、多いのではないでしょうか??
子供たちに大人気のカブトムシですが、大人でも興味をそそられるポイントや凄いところ、面白さがたくさんあります!!
今回はカブトムシに関する研究も紹介しながら、その魅力に迫っていきたいと思います!
⭐️カブトムシの種類⭐️
※ヤマトカブト、オキナワカブトなどの記載に誤った箇所がありましたので訂正いたしました
皆さんは、カブトムシの種類を何種類知っていますか?
カブトムシには色や形、大きさや性格などが全然違う、多種多様な種類が存在します。
まず、日本人にとって一番馴染みがあるのは「カブトムシ」と呼ばれている種ですよね。
カブトムシには亜種が色々いまして、本州、四国、九州などに広く分布する「ヤマトカブト」の他、沖縄に分布する「オキナワカブト」、中国大陸などで見られる「タイリクカブト」などがいます。
「写真:まるぼランドのフリー素材写真」
外国のカブトムシで、一番有名なのはヘラクレスオオカブトでしょうか。世界最大のカブトムシとして知られる種で、最大個体は全長180mm以上にもなります![]()
「写真:まるぼランドのフリー素材写真」
昆虫たちの素敵なお姿がたくさん観られるYouTubeチャンネル「クワカブの部屋」では動くヘラクレスオオカブトの姿も公開されています。
昆虫系YouTuberさんのご紹介もしていきたいところですが、YouTuberさんの紹介ブログになってしまいそうですのでそれはまたの機会に・・・
ちなみに、このかっこいいヘラクレスさん、気になるお値段は、実は大きさによって全然違います。
130mm以下の小さな個体では1万円以下の場合もありますが、160mm以上というサイズになってくると、10万円の値がつくこともあるそうです![]()
他にも、ツノの大きさやかっこよさで選ぶと、三本のツノを持つアトラスオオカブトやコーカサスオオカブトも外せません!
「写真:まるぼランドのフリー素材写真」
アトラスにコーカサス、どちらのオスもそのツノを活かして勇敢に戦うカブトムシですが、なんと、ツノの数も少なく両者よりずっと小柄な日本のカブトムシが、直接対決で勝つこともあるのです![]()
カブトムシはツノの形や大きさが種ごとにかなり違うので、それぞれの形状によっても有利不利が決まるのです。
そして、日本のカブトムシ、どうやらアトラスオオカブトとは相性が良いらしいのです。
また、小柄な体格を活かして素早く相手の側面に回り込んだり、より低い位置からツノを潜り込ませる事もできます。
高校生の頃にテレビ番組のトリビアの泉でカブトムシの対決が放送されていて、日本のカブトムシが体格に勝る世界のカブトムシに勝利を収めているのを見て大興奮した記憶があります![]()
・・・とまぁこんな風にツノで語られがちなカブトムシですが、ツノではなく、胴体が大きいのがゾウカブトです。胴体に対してツノが短いというのも特徴です。
カブトムシといえばツノを使った戦いが特徴的ですが、このゾウカブトは実は温厚な性格の種が多いんです。
体は大きくても必要以上の武器を持たず、性格も穏やか。素敵じゃないですか?僕はゾウカブトが好きです。そういえば子供の頃はヘラクレスオオカブトが好きだったので、少し大人になったのかもしれません。笑
ちなみに、僕の推しはエレファスゾウカブトです。
優しくて力持ちのパパ、という感じの風貌が好きです。
「写真:まるぼランドのフリー素材写真」
子供の頃に昆虫図鑑を読んだり、昆虫採集をする機会が無かったという方も、大人になってから、昆虫図鑑を読んだりネットで調べたりして「推しのカブトムシ」を探すのも楽しいですよ!
ただかっこいいというだけでなく、生息域や飼育のしやすさ、値段、性格などいろいろなデータを元に推しを決めるのが大人の楽しみ方かなと思います![]()
さて、ここまでいくつかのカブトムシの種を紹介してきましたが、同じ種の中での違いについても、ちょっと面白い話があります![]()
⭐️同種間での駆け引き⭐️
全然違う国で暮らしているカブトムシがそれぞれの環境に適した体格やツノの形になるのはわかったけど「同じ環境で暮らしている同じ種だったら、ツノが大きい方が強いし良いんじゃないの?」
って思いませんか?
実はそれ、半分正解で半分間違いっていう感じです。
同じ種でツノが大きい個体とツノが小さい個体が直接対決をしたら、ツノが大きい個体が有利なのは間違いありません。
しかし、ツノが大きいことのデメリットも存在するのです。
“カブトムシの雄の角は、雄同士の闘争では長い方が良いのですが、天敵から食われるのを避けるには短い方がよい、という深刻なジレンマを抱え込んでいることが、東京大学総合文化研究科の小島渉(こじまわたる)学振特別研究員らによって発見されたのです"
ツノが大きくてライバルには勝てても、捕食者にすぐ食べられてしまうようでは自然界で生き残るのは難しいですよね。
でもそうは言っても、カブトムシ(オス)同士の戦いに勝てた方がメスと結ばれる確率は上がるわけですが、ここにも面白いポイントが![]()
実は・・・
小さいオスには「戦わない」という戦略もあるのです。
「スニーキング」と呼ばれる行動でメスにこっそり近づき、他のオスたちが戦っている隙をついてちゃっかりメスと交尾をします。
なんだかズルい感じもしますが、戦国武将だって正々堂々戦うこともあれば、戦わずして勝つこともあるわけですから、そう考えると立派な知将と言えるかもしれません![]()
体のサイズによって戦略を変えるというのはカブトムシ以外にも見られることで、中には「大きい」「小さい」だけでなく、その間に挟まれた「中くらい」のサイズのオスにも特別な戦略がある昆虫もいます。
昆虫が自分の身体の特徴を活かす方法を「頭で理解して」行動しているわけではありませんが、自分の体や特徴に合わせた行動戦略をとれた個体が子孫を残せるので結果的に、それぞれの戦略が確立され、あるところでそのバランスが保たれている。ということなのです。
たかが昆虫、されど昆虫ですよね。とっても奥が深いです。
⭐️カブトムシを食べる⭐️
最後に強烈なネタをひとつ。
皆さんは「昆虫食」という言葉を聞いたことはありますか??
昆虫は、2018年時点で知られているだけで約100万種。これは、知られている生物種の半分以上を占める数です。それだけ繁栄しているわけなので、食糧問題の切り札になる!という見方もあり、昆虫食は注目を集めていて、よく研究されている分野です。
ちなみに一部の研究者や昆虫マニアの方々が言っているだけではありません。国連の報告書でも「昆虫は栄養価が高く採集も簡単 理想的な食糧」とされるなど、大変注目されています!
イナゴの佃煮などは割とポピュラーかと思いますが、実は他にもいろんな昆虫が、昆虫食として確立されています。
なんと、カブトムシも販売されています。
実はワタクシ、購入しちゃいました![]()
苦手な方は本当に苦手ですよね・・・
でも、食料危機を救うかもしれない昆虫食です。
率先して僕が食べないわけにはまいりません![]()
というわけで早速実食。
お味の方は・・・
個性的なお味
食感はエビやカニのような甲殻類の感じですが、大地を踏みしめ、自然界で逞しく生きていることを想像させる、ワイルドな風味でした。
でももしかしたら、何度も食べていると慣れてきて、むしろこのクセを求めるようになるのかもしれません。
※あとで調べたらカブトムシは昆虫食の中でも最強レベルにクセが強いらしいです。先に知りたかった・・・
昆虫大好きな僕ですが、今まではイナゴの佃煮とカイコの蛹しか食べたことはありませんでした。新たな扉を開いた感覚があります・・・
詳しい感想はまたの機会にブログか動画か何かでお伝えできればと思います。苦手な方は観ないようお気をつけください![]()
最後は昆虫食のお話にまで発展しましたが、いかがでしたか
昆虫採集や昆虫の飼育、昆虫への興味そのものが子供の頃で終わってしまう方も少なくないと思いますが、知れば知るほど、大人でも、むしろ大人こそ興味を持てるポイントがたくさんあると思います。
ちなみに、カブトムシ研究は今も世界各地で展開されています。
2019年にはこんな研究が![]()
カブトムシの角(ツノ)にオスとメスとの違いが現れる時期の特定に成功
遺伝子が絡む内容は、少し基本を勉強しないと難しいところもありますが、画像を見るだけでも見応えのある記事です![]()
カブトムシ研究の最前線にも、これからも注目していきたいと思います。
第二回はカブトムシ編でした。いかがでしたか![]()
次回は何にしようかなぁ。リクエストも受け付けますので、ぜひぜひコメントください。感想も励みになります。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました![]()
ではまた![]()




