皆さん。こんにちは。

佐伯恵太です。

 

バランスボールに乗って撮ってみたのですがバランスボールが写らず普段より床が近いだけの写真がこちらになりますカメラ

 

 

 

先日、こんなブログを書きました。

 

このブログで取り上げたのは、人間の「感情」と「手のしぐさ」の関係について検証した論文です。

 

そして、この論文で見出された「感情と手のしぐさに関する知識」が、お芝居にも活かせるのではないかはてなマーク

ということを書きました。

 

 

しかし、このブログでは複雑になるので敢えて書かなかったことがあります目

 

 

人が「ある感情のときにこういう手のしぐさをする傾向にあります」ということがわかったとして、それを受け手(二人で話しているなら話を聞いている側)が認識できるかどうか、という点です。

 

手のしぐさに限らず、こういう感情のときには人の声や表情やしぐさはこうなります。

 

ということがわかったとして、受け手がそれを認識できないとコミュニケーションとしては一方通行になってしまいます。

 

そして、

受け手が認識できないということは、お芝居においても、視聴者や観客が認識できないということになります。

 

 

ということは「受け手が認識できるか否か」ということが一つ重要なポイントになります!

 

 

 

というわけで、今回はそんな観点で研究された論文下矢印

 

感情を表現した音声の認知と音響的性質

 

青山学院大学の重野純教授の論文です。

 

この論文では「東京 」「河原崎さん」「11時半」のような言葉そのものに感情的意味合いが含まれない単語を、幸福、驚き、怒り、嫌悪、恐れ、悲しみの感情を込めてそれぞれ発話してもらい、受け手は、話し手がそれぞれどの感情で発話したものかを当てるというもの。

 

この論文での実験において、受け手が話し手の感情を当てる成功率は、全体的にはおおよそ60%〜90%くらいでした。

 

しかし「恐れ」の感情については、約55%で、統計的にも他の感情より当たる確率が低いことが示されました。

 

 

 

「声」だけで判断した場合、受け手が相手の感情を判別するのは、感情の種類によって難易度が変わる、と言えそうです。

 

 

 

ということは、例えば映画のワンシーンで、台詞として「今日はいいことがあったんだ!」とか「僕は本当に悲しい・・・」というような感情を直接説明する台詞を言わないでかつ、感情を伝えたい、という状況であれば、その伝えたい感情の種類によって、どれくらいわかりやすく伝えるべきか、という判断が変わってくるかもしれませんビックリマーク

 

伝えたい感情が「喜び」であれば、ほんの少し嬉しそうな声なだけでも、誰が聴いても「嬉しそうだな」とわかりますが、伝えたいのが「恐れ」の感情の時は、よりわかりやすく、もしかしたら少し大げさなくらいに恐れの感じを出していかないと伝わりづらいのではないか、ということです目

 

 

もちろん、多くの場合は声だけでなく俳優の表情などからも伝わるのですが、例えば電話のシーンで、聴いている方の俳優の顔の寄りの映像になっていて、話している俳優の表情は映っていない、という状況など、十分にありえます。

 

そういったときに、声だけで感情を伝えるにはどの感情のときにはどれくらい、というコントロールが重要なのかもしれません。

 

 

また、舞台であれば後ろの方の席で観ると俳優の顔があまりはっきり見えなくて「声」が重要になりますし、テレビドラマでもご飯を食べながら、携帯を観ながらなど「ながら観」している人も多いことを考えると、常に俳優の顔を観ているわけではなく、声だけで伝わることが重要だと考えられます。朗読劇などはまさに、声だけですビックリマーク

 

 

そのように考えていくと、お芝居において、声だけで感情がどれだけ伝わるかということをしっかり考えていくことは、重要なことのように思えます。

 

その際に、今回ご紹介しましたこの論文が、一つのヒントになるのではないか、というお話でしたキラキラ

 

 

 

世界には星の数ほどの論文があって、俳優が演技をする上で参考になる研究データが山のように眠っていると思います。

 

これからもそういった論文を見つけ出して自分の演技に活かしたり、こんな風に発信していこうと思います。

 

そしていつか自分自身が論文を書いたり、本にまとめたりもしてみたいですビックリマーク

 

 

面白いなと思っていただけましたら、ブログを拡散していただけるととっても嬉しいです音譜

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました!!