他人を理解するというのは、
いったいどういうことなのでしょうか。
ある人の行動が、
その人の性格によるものなのか、
それとも環境によるものなのか。
それを見分けるのは、むずかしいです。
たとえば「いつもやさしい」と
みんなにいわれている人がいるとします。
その人がほんとうに
だれにでもやさしいのか、
それとも状況によって
やさしく接しているだけなのか、
ぼくらはその一面だけを
見てしまいがちです。
兄弟姉妹がいる人は、
兄弟姉妹でケンカしたことあると思います。
お兄ちゃん、お姉ちゃんは、
下の子のやり方を「ずるい」と
感じたことがあるでしょう。
下の子は、正面から戦っても
勝てないと分かっているからこそ、
相手が嫌がる別の方法を考えます。
それは性格ではなく、
状況に応じた行動だったりします。
ま、結果として、
そういう性格になっていくことは、
多分にあると思いますけれど…。
大人になって、兄弟姉妹のケンカを
客観的に見ることができるようになると、
じぶんの考えの偏りに気がつけます。
目の前のできごとだけを見ていると、
相手を一方的に判断してしまいがちです。
でも、環境全体を見渡せるようになると、
相手の行動をまた別の角度から
理解できるかもしれません。
ぼくたちが他人に抱く印象は、
その人の一面を見てのものにすぎません。
その人には、ほかにもたくさんの面がある。
そのときの状況、関係性、
じぶん自身の態度によっても、
相手の印象は変わります。
だから「あの人はこういう性格だ」と
決めつけてしまうのは少し乱暴だと思う。
その行動を引き出したのは、もしかすると、
じぶんや周りの環境かもしれないのだから。
今日も「わくわく海賊団」に来てくださってありがとうございます。
他人の行動には、物語がある。
