連載 幼稚園・小学校受験合格バイブル
「慶應幼稚舎⑶」 第六章 無宗教系附属編⑫
「人材は宝」
慶應義塾の附属をまとめておきましょう。
(高校)日吉高校(通称塾高、神奈川県日吉 男子校)/志木高校(埼玉県志木市 男子校)/慶應女子高校(東京都三田 女子校)/湘南藤沢校(通称SFC 神奈川県藤沢 共学校)/ニューヨーク学院(中3からの四年制 共学校)の五校
(中学)普通部(神奈川県日吉 男子校)/中等部(東京都三田 共学校)/湘南藤沢校(神奈川県都筑区 共学校)の三校
(小学校)幼稚舎(東京都広尾 共学校)/慶応横浜初等部(神奈川県都筑区 共学の小中一貫校として平成二十五年開校 ※一学年ずつ募集)の二校
以上の地域も特色も様々な附属校を有しています。これは「幅広い人材」を慶應義塾の大学に結集させるためであり、大学からの入学者を含めて、慶應人脈が政財界で近年活躍し続ける理由になっています。
まさに「人材は宝」を踏まえ、将来の慶應義塾の繁栄を考えた戦略的な配置です。それぞれの附属校を個性豊かな村と考えれば、同地域に一貫附属校が集まる村社会的な成蹊学園・成城学園・玉川学園とは全く違う規模の集合体を構成しているのです。しかもその卒業生達は全国のみならず、世界中に存在する各種三田会メンバーとなり、連合三田会を構成しています。
類似の組織は早稲田大学の稲門会が有名ですが、何故か慶應義塾と比べると特に国内での組織力が弱く、近年の就職や出身者の社長や政治家比率などの面で早稲田沈下の原因となっています。また、附属小学校の歴史が浅い早稲田実業附属や附属小を持たない高等学院の出身者は、幼稚舎を代表とする慶應附属出身者の資金調達力の高さと比較すると低い事は否めません。
慶應義塾は2008年に創立百五十周年となりました。その記念事業の寄付金は五年間で250億円が目標でしたが、目標より二年も早く三年で255億円が集まりました。当時の幼稚舎や中等部、普通部などの附属出身者や保護者の奮闘振りは記憶に新しいことです。
新しく開校となる慶応横浜初等部も、近年多くの優秀な理系人材を輩出しているSFCの原点となるわけですから、天現寺の幼稚舎とは全く異なる原石を集めていくことでしょうし、将来の慶應義塾を支える「濃い学歴」を持つ人材を輩出していくことになるでしょう。
麹町慶進会 塾長 島村 美輝
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